仏語で職人のことを 『アルティザン』 と言うそうです。 欧州にも職人という単語があるのが嬉しい限りです。
根っから職人気質で、画像のような 品物を作るのは自分で言うのもナン ですがとても小器用にこなします。 これは芋乃市場でそば湯をお出し するのに使う片口です。開店から 6年で随分壊れてしまいました。 前に使った土が信楽のもろい土だったので、今度は美濃の 良く焼き締まる土を使いました。この持ち手部分を作るの が実に楽しく、軟らかい土を使ってふんわりとカーブをつ けるのが職人技でしょう。陶芸教室の皆さんはこの手を つける作業を苦手としている方が多いのですが、実演を してじっくりと見てもらい、軟らかさを出すコツをお伝えす るのは、職人冥利に尽きる授業です。
私はアーティストの皆さんのように創作的に生み出す能力 は持って生れなかったようです。が、手本を自分流に改良 することには、発揮できる力を幾分持ち合わせたようです。 まさに日本人的で、若い頃はそれが嫌でしたが、この歳に なれば無理をして背伸びなどする気は起りません。身の丈 に合った製作をするのが 『仕事』 と位置付けて自分らしい ものを作るばかりと心得ます。色に例えれば 『アーティスト』 は金色でしょうか、一方 『アルティザン』 は銀色でしょう。 私は日本人として、いぶし銀の職人でいきましょう。
手本はやはり、自然の造形からヒントを頂戴しましょう。
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