陶芸材料は中京地区が中心なので、大震災の影響は 少なかろうと多寡を括っていたら、窯の温度を目視する ゼーゲルコーンの工場が福島県で、生産がおぼつかなく なっているそうです。益子の材料屋さんでは今のところ 在庫があり、心配は要らないといっていますが、その後 のことはなんとも言えないという頼り無い状況。
そこで、他社の温度計を試しに買って みました。これはアメリカ製のオルトン コーンです。温度設定がゼーゲルと 差があるらしいですが、焼成試験をし て慣れれば使えるでしょう。ゼーゲル は土の台を作って立てなければいけ ませんでしたが、これは自立型なので使い勝手がいいです。 更にコストも安く、うまくすればコストダウンにもなります。 まずは焼いてみましょう。
ウチのような個人工房ではこのコーンが無くても窯は焚け ますが、大きな工房や、工業的な窯場では難儀でしょう。 ゼーゲルもオルトンも細かく温度域が設定されていて、焼成 温度にあわせて沢山使う場合があると思います。小さな窯 の工房でもやはり熱電対温度計だけでは作品に伝わる温度 は計れません。伝統的な窯業地では 『色見』 というテスト ピースを使って窯の中の具合を測りますが、コーンに慣れ ていると、やはりコーンを立てて焼くのが解りやすいです。
ニュースではゼーゲル再生産のめどが立っていないよう ですが、多くの窯業従事者が困ることになるでしょう。建築 資材や車の部品といった一見震災と無関係に思えるものが 不足して困っている現場があるということも対岸のことの ように感じていましたが、どうしてどうして解らぬものです。
オルトンコーン 7番 8番 <拡大>
4月16日付 京都新聞の記事
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