陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2011年01月07日(金)      ま し こ

益子の造形作家KINTAさんのお宅へ出張そば打ちに行って
来ました。行きます行きますと言いつつ機を逸し、かれこれ
2年越しの日延べとなってしまっていましたが、突飛な日程
での訪問を打診したところ、ちょうどキンタさんとお嬢さんの
お誕生日に重なり都合が良いということで、これ幸いと
道具一式積み込んで推参しました。

 キンタさんのお宅は益子町の中心
 から少々東へ行った田園地帯の小山
 の中腹にあります。広い敷地に自宅
 と工房が棟違いで立ち、様様な素材
 に向きあっておおらかな造形活動を
 していらしゃいます。木、鉄、陶土など
それぞれの言い分をきちんと聞き取り、自分の表現に必要な
加工を施すお手並みは見事で、どの素材も生き生きとキンタ
さんの一分身となって存在感を放つのは天賦の才でしょう。
知り合って間もない20代の頃はその姿に憧れてせっせと真似
をしてみましたが、所詮メッキはメッキで地金に実力の無い
者にできる芸当ではなく、只の模倣はやめました。今はその
生き様から学ばせてもらっています。
薪ストーブの煙が立ちのぼる玄関

 そんなキンタさんの手作り感あふれ
 るご自宅の一角で昨年は不作で手に
 入らなかった益子産 『常陸秋そば』
 を久しぶりに打ちました。2010年産は
 アーモンドのような香ばしい香りが
 立つ素晴らしい粉でした。粉の保水
率も高く、打っている手にしっとりと馴染んで、快感でありま
した。茹で上げたそばは甘みが強くて実に美味しく、粉でこれ
ほど違うものかと改めて素材の大事さを実感しました。この日
は靴作家の曽田さんご一家と、地元の養蜂家諏訪さんご夫婦
も合流、お子様たちからは 『おそば屋さん』 と呼ばれ、いよ
いよもって本業は名乗りにくくなってきてしまいました。
恥ずかし乍らそばうち作業 (キンタさん撮)

 薪のストーブにあたりながら美酒に
 酔い、最近興味を抱いている養蜂に
 ついて本職の方からお話を伺い、
 あったけぇ布団で休ませていただき、
 帰省する気分というのはこういうもの
 かと擬似 『故郷でのお正月』 を味わ
いました。6日には諏訪さんの蜂場を見学させていただき、更に
詳しく教えていただきました。画像の巣箱は相当数があるように
見えますがこれはほんの一部で、自宅他各所に述べ数百箱が
あるそうです。ひとつの箱には多い時で万を超える蜂が住む
そうですから、その数たるや大軍団です。凄い仕事があるもの
だと驚きつつ、諏訪さんは脱サラで始めて3年目と聞き、更に
ぶったまげました。いつかウチでも少数の群れでいいですから
飼ってみたいものです。
小春日和の蜂場 左から諏訪さん、市場女将、キンタさん

諏訪さんのハチミツはいずれ仕入れて芋乃市場で販売したいと
思います。(初対面で商談が憚られ、まだ希望観測ですが・・)

KINTAさんの土人形を大量入荷しました!
2月の芋乃市場で販売します。ご期待ください。

とちテレニュース 益子土祭に向け土人形の窯出し(09-08-27)




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