山本兼一さんの小説 『火天の城』 が映画化され、今月 12日から全国公開されます。小説は平成16年に上梓された 書下ろしで、山本兼一さんの作品では初めて買った本です。 とてもスリリングで面白い時代小説で、もう二度ほど読んで います。どのように映画化したのか楽しみです。
安土城址には平成18年秋に滋賀を旅し た際に赴きました。それこそ小山を一つ 城にしてしまったというような作りの山城 は、今でこそ遺構しか残っていませんが、 安土山頂上の本丸跡に立って、この場所 に天を突く朱と金の城があったかと思うと その感慨もひとしおでした。小説では築城 を任された番匠頭、岡部又右衛門親子を 軸に展開しますが、大工の知識の無い人に は現場の様を思い描くのが難しい専門用語が多々出てきます。 幸い俄か仕込みながら大工の経験があり、柱梁を思い描きな がら読むことができましたが、これが映像になるかと思うと ぞくぞくします。クレーンもトラックも増してや電動工具も 無い時代のそれも城造り、現場は命がけの戦場でしょう。 小説もそのあたりを細やかな筆致で描写しています。
映画の公式サイトを見ると、岡部又右衛門を西田俊行さん、 織田信長を椎名桔平さん、中々に骨太な役者さんが配役され ています。原作では又右衛門の息子がキーパーソンになって いますが映画では娘さんが出てきます。そのあたりも気にな るところ、焼き物屋としては安土城の瓦を焼いたといわれる 一官(いっかん)のエピソードが見たいですが配役を見る限 り出ていないので、割愛されてしまったかとも思われます。
久しぶりに映画館に見に行ってみようかと思う作品です。
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