陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2009年07月03日(金)      おくりびと

映画 『おくりびと』 を観ました。良い映画でした。
外国で賞を頂くほどだから強いメッセージのこめられた
社会派ドラマかと思っていたらコミカルな娯楽性を持った
笑って泣けるニッポン映画で、ちょっと驚きました。

 主演の本木さんは実に良い役者さん
 だなあと思います。表情がとても細やか
 で、身ごなしもとても綺麗です。山崎努
 さんとの競演もテンポが良く、安心して
 見ていられました。また、台詞の間合い
 に繊細な気配りがあって、間延びせず、
早からず、脚本をとてもよく咀嚼している方だなあと感心し
ました。達筆であることも有名ですが、ほぼ同年代の43歳
は、まだまだ未知なる魅力を秘めていそうな俳優さんです。

納棺師という職業が今でもあるのかはわかりませんが、死者
を丁重に送る仕事の敬虔さはこうあってほしいものだなあと
思いました。どれほどの富を築いた人でも死からは逃れられ
ませんし、生きることは緩やかな自殺だとも言われます。
この映画に込められた日本的死生観は、日本人特有のものだ
と思うのですが、外国の皆様にも共通した感動を与えたのか
と思えば、生きることや死ぬことの不条理は人間共通の感覚
なのでしょう。そういった意味でこの映画がアカデミー賞を
受賞したことは意義深いことだなあと思います。

劇中、山崎努さんが自分の死生観を語りながら本木さんと
焼いたシラコを食べるシーンがありますが、とても象徴的で
良いシーンでした。生きることは死なないことで、そのため
には命を喰わなければいけないなんて、むごいことですが、
『目をそむけずに、生きましょう。』 というメッセージだな
と感じました。




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