映画 『おくりびと』 を観ました。良い映画でした。 外国で賞を頂くほどだから強いメッセージのこめられた 社会派ドラマかと思っていたらコミカルな娯楽性を持った 笑って泣けるニッポン映画で、ちょっと驚きました。
主演の本木さんは実に良い役者さん だなあと思います。表情がとても細やか で、身ごなしもとても綺麗です。山崎努 さんとの競演もテンポが良く、安心して 見ていられました。また、台詞の間合い に繊細な気配りがあって、間延びせず、 早からず、脚本をとてもよく咀嚼している方だなあと感心し ました。達筆であることも有名ですが、ほぼ同年代の43歳 は、まだまだ未知なる魅力を秘めていそうな俳優さんです。
納棺師という職業が今でもあるのかはわかりませんが、死者 を丁重に送る仕事の敬虔さはこうあってほしいものだなあと 思いました。どれほどの富を築いた人でも死からは逃れられ ませんし、生きることは緩やかな自殺だとも言われます。 この映画に込められた日本的死生観は、日本人特有のものだ と思うのですが、外国の皆様にも共通した感動を与えたのか と思えば、生きることや死ぬことの不条理は人間共通の感覚 なのでしょう。そういった意味でこの映画がアカデミー賞を 受賞したことは意義深いことだなあと思います。
劇中、山崎努さんが自分の死生観を語りながら本木さんと 焼いたシラコを食べるシーンがありますが、とても象徴的で 良いシーンでした。生きることは死なないことで、そのため には命を喰わなければいけないなんて、むごいことですが、 『目をそむけずに、生きましょう。』 というメッセージだな と感じました。
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