映画 『それでもボクはやってない』 を観ました。 とても疲れました。なんだか運転免許試験場の講習ビデオ をたっぷり2時間見せられたような疲れです。
テーマは 『冤罪』。痴漢と間違われた 青年があれよあれよとしょっ引かれ、 警察署に拘留され、否認をくりかえす うちに起訴となり、裁判にもつれ込む という筋書き。非常に現実的で重要な 社会的テーマに周防正行監督が真っ向 挑んだ意欲作とお見受けしました。 出演している俳優人も熱演しており、 司法の諸問題点が浮き彫りにさえている快作だと思います。 いかんせん長いので、いささかもたれますが、当事者となって 公判に立つ人にはいかさま長い戦いであるかということが良く 分かりました。結句、被告人となってしまった青年は実刑判決 を受け、『控訴します!』 という毅然とした台詞で幕になるの ですが、今後最高裁まで争っても無罪になることはなかろうと におわせて、あと味苦くやるせなーく終わります。
冤罪・・・難しいテーマです。この映画を観てまず思ったこと は 『李下に冠を正さず』 という、紛らわしいことはするでないと いう諺です。来年5月からは裁判員制度も始まります。裁判所で 裁かれるのも裁く側に立つのもできれば御免蒙りたいものです。
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