陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2008年06月18日(水)      居飛車

第66期将棋名人戦が終わりました。
第6局で羽生二冠が勝ち越し、名人位に返り咲きました。
全局を通して実に骨のある正統派の将棋で、見応えの
ある内容でした。特に第三局の羽生二冠の脅威の粘り勝ち、
第五局の森内名人の堅い差し回し、そして昨日第六局の
羽生さんの鮮やかな手順、棋譜を並べて感じ入りました。

 上記の三局はどれも 『相がかり』 と
 いわれる戦形です。先手も後手も飛車
 を振らない居飛車(いびしゃ)の将棋は、
 将棋の本道と言ってよく、見ていて気持ち
 のいいものです。特に昨日の将棋は先手
 番の羽生二冠が序盤から堅実に駒を組み
森内名人の鉄板の受けを2筋から果敢に攻め、緩急のある
差し回しで堅陣に穴をうがち、同時に自陣を矢倉に固め
後手の攻めも手厚く受け、桂と角を巧みに使って相手玉
を寄せていくというお手本のような一局でした。
相撲で言えば相四つ両者土俵の中央でがっぷりってな按配
ですな。大山名人が活躍して以来、振り飛車も有力な戦法
として認知され、相振り飛車の将棋なども見ていてわくわく
しますが、2筋と8筋で睨み合う相居飛車の将棋はやっぱり
将棋道の本義という気がします。

竜王戦に圧されて名人戦を軽んずるような発言をする輩も
見受けますが、今期の名人戦は実に重みのある対局だった
と思います。お二方には、素晴らしい将棋を見せて頂き
ありがとうございました。そしてお疲れ様でした。
また何がしかのタイトル戦で、ぜひともお2人の
がっぷりよつの将棋を見せてください。




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