陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2007年12月13日(木)      縄文象嵌

益子焼の人間国宝島岡達三氏が亡くなりました。
浜田庄司の直弟子で、民芸路線を踏襲した作家さんですが、縄文
象嵌(じょうもんぞうがん)という独自の技法を確立し、確固たる
地位を築いた気骨の作家であったと思います。

 近年では林英哲さんとのコラボレーション
 で陶製の大太鼓を製作し話題を呼びました。
 この春に益子へ行った時にはその小型版
 を目にし、面白いことをやっているなあと
 感心したものでした。享年88歳、小柄な
 好々爺という印象の晩年でしたがお若い
頃の写真を見ると、どうしてどうしてトッポイ顔つきで煙草など
をふかしていて、気鋭の陶芸家といった一面も垣間見ることが
できます。

民芸運動は失速し、浜田・島岡に続く大看板は見当りません。
島岡先生のお弟子さんたちは民芸から多くを学びつつも縛られず
に個人の製作を実践し評価を受けています。益子という町も最近
では伝統の窯業地というよりは都会に近い工芸村といった雰囲気
です。東京の大学を出た陶芸家志望の若者が流入し、益子焼とは
言い難い陶器を焼いています。ある意味では浜田率いる民芸一派
が良い意味でも悪い意味でもその嚆矢であったと思います。

益子の陶芸がどのような方向に向くかはいざ知らず、陶芸界の
星が1つ消えてしまったことには何ともさみしい思いがします。




 < 過 去  目 次  未 来 >


陶 房 日 報