陶 房 日 報  とうぼうにっぽう 
陶房かまなりや

2006年07月31日(月)      しょくどうらく

『隠居の日向ぼっこ』で最後と思われていた杉浦日向子さんの
本が、もう一冊出版されました。その名も『杉浦日向子の食・道・楽』
これは、あちこちの出版社(主にNHKのテキスト)で細かく書かれていた
随筆をまとめた言わばオムニバスエッセイ集です。それを新潮社が一冊
に纏め、発売した模様、なかなか新潮社も粋なマネをしゃぁがりました。

 内容は、食の章「ゴチマンマ!」(3分クッキング)
 道の章「酒器十二ヶ月」(食彩浪漫) 楽の章
 「きょうの不健康」(きょうの健康)の3本柱。
 合間に『箸休め』として小さなコラムをはさんだ
 小粋な編集です。偏食・呑んべえ・中堅不健康
 を自負する筆者は、それなりの生き方を軽やか
 な筆で問いかけます。酒の呑みかた、飯のいた
 だき方、歳のとり方・・・どの方法論も無理の無い
自然体で、いかにもこざっぱりとしています。そして、至極の健康法
として銭湯を勧めます。<以下抜粋>

銭湯行きなさい、銭湯。理想的なハダカなんか、ひとつもない。
みんなでこぼこで、おもしろい。必要もないのに痩せたがったり、若造り
するのに、金と時間を使うのは、不健康だ。その前に、十回銭湯に行くと
いい。赤ちゃんもおばあちゃんも、きょう一日は一度きり。それぞれが、
それなりのカタチで生きるのが、個性だ。

おせっかいなご隠居のお小言が、じ〜んと沁みる文章です。
流石にこの本で、もう、いよいよ日向子節ともお別れでしょう。
断腸の訃報から一年、経ってしまえばあっという間の365んちですが、
新潮社さんのおかげで思いがけなくもう一冊にめぐり合えて、ちびっと
健康になったような気がします・・・




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