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私の左の耳からは身勝手な言葉がぞろぞろとしのびこんでくる 窓の外では染井吉野が三分咲き 2本の電話で自由を買って 神社のベンチで猫を膝に乗せていた その子はこの冬捨てられたんです、去勢までしてるんですよ、なのに 引っ越すときにでも邪魔になったのか段ボールに入れられてね、なのに 人が好きなんです、 人が大好きなんですよ、 そうかい、だけど、私は人が嫌いだよ、 人なんか大嫌い、 もしも私が猫であったなら決して人の膝には乗るまい 片っぱしからひっかいて傷つけて、蹴られて追われてのたれ死ぬ 喉をならしていた猫はいつしかそのまま眠りこみ 私は若くして命を絶った「天才作家」の小説を読んだ さてそれで、耳の掃除はできましたか。 |