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2006年10月18日(水)   西の果てまで

PAOLO BIONDINIのハイヒールは大阪へ送り返してしまった、そのかわり駅前のショッピングモールで2980円のブーツを買った。ジーンズの丈はどうしようもないので同じ9センチヒールだが、靴底が皮からビニールに変わっただけで随分と歩きやすくなった。読み終えた本―小川洋子『薬指の標本』、同じく『博士の愛した数式』(読み終えたのは電車の時間待ちをしていた喫茶店だったのだが277ページのあたりで少し泣いてしまう)、カポーティの『冷血』、オースターの『ムーン・パレス』(どれもこれも読みたいとは思っていたけれど読む機会を逸していたものばかりだ)―も送った。

今はなき南海サウスタワーホテルのアメニティだったルベルコスメティックスのシャンプーとトリートメントが昨日の夜、空になった。Diorの洗顔フォームも使い切った。

荷物はどんどん軽くなっていく。

毎日居場所を変える。
毎日新しい人に出会う。
毎日知らない景色を見る。
毎日違うベッドで眠る。

旅を続けることが楽しくて仕方ない。

西の人々はみな優しい。どこから来たの、いつまでいるの、と気さくに問いかけてくれる。道を尋ねればメモを渡してくれる(多分致命的な方向音痴である私が2回、3回と念を押すからだ)。スターバックスにたむろする目の周りを真っ黒に染めてミニスカートをはいた女子高生たちはこちらが何も言わなくても「ここあいてますよ!」と席をずれてくれ、コンビニの店員でさえ「これはねえ、ほんとにねえ、僕の中で今大ブームなんですよ、めちゃめちゃおいしいですから!僕が保証しますよ!」と大演説をはじめる。ギャラリーのオーナーは自分のカメラと犬の話に熱中し、おかげで私は電車の時間を逃したが先を急ぐ旅でもない。

いったい何が私を止めてくれるのだろう。このままだと、西の果てまでたどり着いてしまいそうだ。


nadja. |mailblog