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2006年06月28日(水)   お手上げ

おそるべきことについに今年も冷房の季節がはじまってしまった。いったんはじまったが最後、夏が終わるまでほぼ24時間、リビングと魔境という名の母の部屋、2台フル稼働の冷房地獄である。月初に生えたはずの柔毛もすっかり抜け落ちて、ぷっくりとした肉球らしきものが芽生えはじめていた手もいつの間にかまるで鶏ガラのように骨と筋の浮いたただのヒトの手に逆戻りし、なんだかんだであれは幻だったのだ、つかの間の夢だったのだと認めざるを得ない月末、私を守るあったかい毛皮は既にないのだ。おお寒い。さっそく喉が痛い。

ウシとトラは意外に暑がりなので昼間はうれしそうにおなかを上に向けてごろごろしているが、「あっちぃあっちぃわんわんわん」と吠える母という生き物が帰ってきた途端この真夜中に扇風機まで2台とも強で回されてみればさすがに寒いのだろう、押入れに引っ込んで出てこなくなってしまった。

生活様式の根本的な相違を理由に別居を申し立てたことも一度や二度ではないが、なにしろ前科があるのでそうそう容易に家を出してもらえない。いっそのことオージーのアニマルレスキュー隊にでも参加しようかと本気で考える。そんなにアザラシが好きだったら冷房は28℃にしろよ?朝から晩までテレビつけっぱなしにすんのやめろよ?食器乾燥機のつまみ「連続」にあわせっぱなしとかさ?炊飯器の中で白米があっぷあっぷしてんのに弁当買ってきてプラゴミ増やす(そもそもいまだに分別してないし!)のもさ?だいたい冷蔵庫はゴミ箱じゃないんだよ、隙間なくみっちり詰まってんのは魍魎の匣だけで十分なんだよ、嗚呼もうなんて地球に冷たい家なんだろうか、という嘆きが真剣にオージー行きを検討させるのだ、過剰から過剰へ推移しがちな傾向もあるので。

まぁ現実は、ウシとトラを置いて家を出る、なんて考えられないのだけれども。

中国に知的所有権の教育をすることと(それにしてもあの偽造ゴレオはもはや立派なオリジナルの域に達している)せめて夜だけでもエアコン一台止めるとか扇風機を弱にするとかいったもう本当に些細なことがひいては環境保護につながりうるんだというマクロな視点をうちの母に教育することをあきらめたくはないがどちらも私の手に負える問題ではなかった。「できることからはじめよう」などという緩いキャッチコピーではどうしてもはじまらない現実がここにある。


nadja. |mailblog