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こんな静けさを望んでいたのだ、と思う反面で血管の中を黒々とした棘がざわざわ音を立てて駆け巡るから呼吸が苦しい。ひとつの呼吸の間に希望から絶望へ、充足から欲求不満へと揺れに揺れる感情。これで何が静けさだ。 朝の鳥が啼く。 ウシとトラは円環の時間の今どのあたりを生きているのだろう。 「全て動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している。」(ジョルジュ・バタイユ『宗教の理論』) そしてウシとトラはそれを決して自分自身で認識していない。 やはり私と彼らの間には名づけようのない深淵が横たわっている。文字では埋めることの決してできない深淵が。 |