indexpastwill
2006年06月25日(日)   そこには深淵が

散らかった部屋の片隅にまるでゴミ屑か何かのようにごろりと寝転がって本を読んでいると世界中から見捨てられたような気がしてきて自虐的な笑いが口元にこみあげてくるのを禁じえない。外は雨。野良たちは濡れているだろう。

こんな静けさを望んでいたのだ、と思う反面で血管の中を黒々とした棘がざわざわ音を立てて駆け巡るから呼吸が苦しい。ひとつの呼吸の間に希望から絶望へ、充足から欲求不満へと揺れに揺れる感情。これで何が静けさだ。

朝の鳥が啼く。

ウシとトラは円環の時間の今どのあたりを生きているのだろう。

「全て動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している。」(ジョルジュ・バタイユ『宗教の理論』)

そしてウシとトラはそれを決して自分自身で認識していない。

やはり私と彼らの間には名づけようのない深淵が横たわっている。文字では埋めることの決してできない深淵が。


nadja. |mailblog