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そう自分に言い聞かせてみても、行ってみればまたしても何もすることがなかった。保守契約先のリストアップなんかもう先週のうちにとっくに終わってるし、アンケートの回答別に抽出したリストもこないだ金曜日に仕上げた。先方は私の仕事量を3日分くらい読み違えている。 眼球がぱんぱんに張りつめて、雨の気配が耳鳴りと眩暈を誘発するので、昼前に帰ってきた。 母に病院に連れて行ってもらったはずの猫がエリザベスカラーをつけていなかった。ああ、もう、いらないと言われたのか、と思っていたら、憔悴しきった表情の母が帰ってきて、タクシーの中に家の鍵を忘れたので手配に行っていた、と言う。カラーをつけようとしたら逃げ回って出てこないからそのままにしておいたのだ、と言う。あまりに言うことを聞いてくれないので癇癪を起こして泣いたのだ、と言う。 あの猫はおまえの言うことしか聞かない、とビールをあおりながら母が嘆く。昼間の母は最近急速に老いた。平日の昼間から酒を飲むような人ではなかったのに。 だるく、重く、息苦しく。ウォマックの『ヒーザーン』を読んでいたら知らない間に眠っていた。 身体の中心から濁った血が流れ出てきていた。そこにあるはずのカタルシスはみつからない。ああ、もう、この鈍い月は、いったいいつ流れ出すのだろう。 |