indexpastwill
2006年03月27日(月)   黒い羊の幽愁

ため息がとまらない。今日一日でいったい何回のため息をついただろうか。考えただけで情けなくなる。ため息をつくことでしか日々を満たせないなんて、こんなことならまだ牧場で走り回っているほうがマシだ。

眠ることしかできないような休日。

アルコールで潰すことしかできないような休日。

ディスプレイの向こう側に映し出される若者たちの激情、苛立ち、疾走する愛、戸惑い、向こう見ずな理想、それらすべてを、いったい、何処へ、忘れてきた?

と問うたとき、黒い羊はそれらすべてをかつて有したことすらなかったことに気づいた。決してなくしてしまったのではない。はじめから、なにも、もっていなかった。もっていたような気がしていただけで、それらがどんなものなのか、触れたこともなければ感じたこともなかった。

怒りも忘れ、抵抗することにも疲れ、愛すること愛されることにも絶望し、美しかったはずの過去は粘着質で不気味な執着にとってかわられ、明日へ繋ぐべき希望にはとっくにピリオドを打ってある、

それでもなぜ、呼吸を続けるのか? ため息にしかならない呼吸を、続けるのか?

・・・それがヒツジだからよ。まったく、キミは、典型的ヒツジ。無害で、穏やかで、従順で。キミが内側に何を秘めているかなんてまったく問題ではないわ。分厚いヒツジの皮にくるまれて、そんなものはまったく誰にも伝わらないのだから。キミはヒツジとしてとても優秀よ。とても、御しやすい、ヒツジ。

黒い羊は今夜、この女の侮辱的ともいえる言葉に反論することができない。


nadja. |mailblog