indexpastwill
2006年03月02日(木)   依怙地になる

穏やかで小さな休日はあっという間に過ぎ去る。今夜ばかりは時を止めたい。

いーやーだー。

*****

本屋で依怙地になる。

元気の出る物語なんかいらない、心が温まるような物語も、生きる希望がわいてくるような物語もいらない。人間の魂の救済だとか明るい未来を夢見させるような物語もいらない、身体を売る女たちの物語やあざといまでに涙を欲しがる物語もいらない、想像力の限界までアクロバティックな飛行をしてみせる物語にも、家族の絆を確認しあう物語にも、失ったものを再び見出そうとする物語にももう飽きた、小さな日常を優しい視点で見据えた物語、生きとし生けるものへの慈愛に満ちた物語、壊れやすいものを壊れやすい文体で描いた物語、いらない、いらない、そんな物語は受け入れられない。

結局一冊も買えなかった。

私は今日、とにかく切迫した、とにかく残酷な、とにかく深刻でとにかく大仰でとにかく絶望に満ちた物語を探していた。

*****

それでも今日も豆乳の茶碗蒸しを作ったりして小さな満足を口にしたからシアワセな休日だったことに違いはない。


nadja. |mailblog