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それでもやはり母は輝いていて。身勝手ながらも多くの人に支えられて輝いていて。胡蝶蘭の並んだカウンターの向こうの母はまだまだ若く、美しかった。 多分私は今夜軽く嫉妬している。取り壊しの決まっている前の店にいつの間にか住みついた野良猫に餌をやっているときそう思った。通りを一本隔てた母の新しい店は昔馴染みの客でにぎわっているというのに、おまえと私は寂しいねぇ。 私も新しい人生に踏み出すべきなのだろう。彼女の呪縛を逃れて。それがおそらく、ただ一つの正しい道だ。 ![]() おまえも、うまく、逃げろよ。
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