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2006年01月29日(日)   「実存は本質に先立つ」

人はあまりに簡単に馴化する。成長過程にあるスイカに四角い箱をかぶせれば四角いスイカができる、とどこかで読んだ。それと同じ。箱の中に、枠の中に放り込まれたらそのサイズに合わせて伸び縮みする。そんなつもりはまったくなくても、ふとしたときにその箱、その枠にぴったりと収まっている自分を発見して愕然としたりするのだ。

「仕事って、枠だと思うんだよ」と昔憧れた人が言った。だからこそ、自分にふさわしい枠を選ぶ努力をしなくちゃダメだ、とも言った。今になってその言葉の正しさを痛感する。

私は自分の適応能力を過小評価しすぎていた。「本質に属する事柄じゃない」、というのはもう見飽きたよ、と言われそうな一節になりつつあるだろうけど、基本に立ち返ろう。

実存は本質に先立つ」。

今、この瞬間の自分、それこそが問題なのであって、本質などというものはその時々の状況に、放り込まれた箱に、枠にあわせていくらでも変化する、あってないようなものに過ぎない。自称実存主義者がそんな基本的なことを忘れ去っていた、という事実が、「実存は本質に先立つ」という命題の正しさを如実に物語っている。


nadja. |mailblog