月に舞う桜

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2021年12月13日(月) 卑怯な施策

JR東日本が、駅のバリアフリー化の費用を確保するため、料金を引き上げる方向だそうだ。
元は読売新聞の記事だけれど、ヤフーニュースにも転載されていて、ヤフコメに書かれた障害者差別がひどいらしい。
私はヤフコメを読んでないけれど、「だろうね」という感じだ。読まなくても、どんな惨状だか想像に難くない。

ひどい障害者差別を書き込む輩と、それを放置するヤフーが大きな問題であることは当然として、そもそもバリアフリー化費用を料金に転嫁する制度が問題なのだ。
バリアフリー以外の面での駅改修や車両刷新などにも費用はかかるわけだけど、なぜ、バリアフリー化の費用については顧客に負担させることを行政が是とするのか。本来なら施設建設時にバリアフリー化すべきところ、行政と事業者の不作為のせいで、長年著しい不便と負担を強いられてきたのは、我々障害者だ。それを、今になって「急に莫大な費用がかかるから」みたいな顔をして、バリアフリーを最も望んでいる層に矛先が向くような施策を打つのは、卑劣きわまりない。これまで自分たちがどれだけ差別的な状態を放置してきたのか、自覚がなさすぎる。
駅のバリアフリー化は、障害者や高齢者等々へのお情けではない。国と自治体と事業者が共同で取り組むべき責務であり、心情的には、「今まで申し訳ありませんでした」という顔で臨んでもらいたいくらいだ。
費用を料金に上乗せするなら、今までバリアフリーについて考えたこともない人たち、そんなの必要ないと思っている人たちの運賃に全部転嫁してほしい。

◆JR東、首都圏在来線を値上げへ…バリアフリーの費用確保(2021.12.11 読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20211210-OYT1T50420/?fbclid=IwAR2G7_CSVBYuApM4IZLpUzCyero_ikrqMIXxKJU-a6hV4xqoj4Z7LuUyG-w


桜井弓月 |TwitterFacebook


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