月に舞う桜
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| 2016年12月09日(金) |
【12/8】YOSHIKI CLASSICAL SPECIAL WORLD TOUR 第2弾 with Orchestra�� |
12/8のYOSHIKIクラシックコンサートの続きです。
第2部はオーケストラだけのTearsで始まった。 そしてYOSHIKIが登場。Miracleは、日本人の女性オペラ歌手が出てきて歌った。Miracleの歌を初めて生で聴けた。ピアノとオーケストラと歌が螺旋のように重なり合って盛り上がるところがドラマチック。 この曲、X JAPANライブのオープニング曲として初めて聴いたときは曲調と歌(イタリア語らしい)が苦手だったけれど、今はAmethystと同じように、ライブが始まる高揚感をもたらしてくれる。でも、ライブのオープニング曲として聴くよりも、YOSHIKIのピアノで聴く方が何倍も圧倒される。心の真ん中をぎゅうっとつかまれる感じがして、息を詰めてYOSHIKIから目が離せなくなる。YOSHIKIの曲には、独特の切迫感があるんだなあ。今回は、プロのオペラ歌手の生歌も聴けてお得だった。
YOSHIKIによる曲の解説。 Tearsについて。 紅白の出演者みんなで歌える曲の制作を依頼された。雲仙普賢岳の噴火による災害の復興支援曲だった。そのあと、HIDEが「この曲いいから、Xでもやろうよ」と言って、X JAPAN用に書き直した。
Miracleについて。 2010年のロラパルーザでのライブのときはメンバーの誰も何も言わなかったけど、そのあとにやった日産スタジアムのライブのとき、「あの曲は誰の曲?」と聞かれた。メンバーはクラシックの曲だと思っていたらしく、YOSHIKIが作ったと知ると驚いていた。YOSHIKIはそれが嬉しかった(この話をするときのYOSHIKIもちょっと自慢げ&嬉しそうだった)。 イタリア語の歌詞もYOSHIKIが書いたのかなあ。だとしたら、すごいな。
次の曲紹介では、YOSHIKIがなかなか曲名をきちんとを言えず。最初「薔薇のように咲いて花のように散って」と言ってしまい、客席から突っ込みとともに正しいタイトルを教えてもらった。が、「え? 薔薇のように散って…?」と、またもや間違える。何度目かにようやく「薔薇のように咲いて 桜のように散って」と言えた。「オーケストラと打ち合わせするときは全部英語で話すから、Bloom Like A Roseっていうタイトルを使ってるからね……」と言い訳するのがかわいかった。
この曲は松田聖子が歌うのもいいけど、オーケストラとピアノでやるとより盛り上がって、桜が咲き乱れている幻想的な風景が浮かぶ。日本的な曲調に、ピアノという洋楽器がよく合うんだよねえ、不思議。
Say Anythingでは、なんとバイオリニストの川井郁子が登場し、オーケストラはなしでYOSHIKIと二人だけで演奏した。川井郁子の生演奏を聴けるとは、なんてお得な! 川井郁子のバイオリンは、やっぱり飛び抜けて素晴らしかった。もう、音が全然違うんだよね。彼女がバイオリンを演奏しているんじゃなくて、バイオリンが意志を持って歌っていた。なめらかで、情感豊かで、美しく切ない。Toshlが歌うか、川井郁子のバイオリンが歌うか、ってくらいに素晴らしくて聞き惚れた。 曲のあと、YOSHIKIも「バイオリンが歌ってましたね」と言っていて、「私が思ったのと同じことをYOSHIKIが言った!」と嬉しくなった。 それから、Visual Japan Summitと言ってたかな、川井郁子は以前にYOSHIKIのステージを観たことがあるらしく、「YOSHIKIさんのファンの方は熱い方ばかりで…」と。それに対してYOSHIKIが「世界一のファンですから」と臆面もなく答えていたのも、嬉しかった。 YOSHIKIが川井郁子の次のコンサート予定を尋ねると、三越劇場で源氏物語をやるとのこと。「あー、源氏物語ですか」と頷くYOSHIKIに、客席が微妙にざわつく。客席の気持ちを察したYOSHIKIは、「俺だって源氏物語ぐらい知ってるよ!紫式部でしょ?」と笑った。 川井郁子の告知も済んだところで、お互いに「もう退場してほしいな」「もう退場していいのかな」という雰囲気を醸し出していたけれど、ちょっとした駆け引きみたいになってしまってスムーズに事が運ばず、ぐだぐだしたのがYOSHIKIらしくてかわいかった。
次のRiver Of The Lightは聞いたことのない曲名だったけれど、数年前に戦争ドラマの主題歌として秋川雅史が歌った「愛する人よ」だった。もともと、主題歌とは関係なくYOSHIKIがオーケストラ用に作ってあり、主題歌の依頼が来たときに、この曲がちょうどいいと思って日本語の歌詞を付けたらしい。原曲は、より壮大な、宇宙や天の川をイメージしたそう。「愛する人よ」の原曲があったなんて知らなかったなあ。 この曲紹介のとき、客席から笑いが漏れた。前日か前々日の公演で、YOSHIKIが「千の風になって」を「千のお墓の前で」と言ってしまったらしい。笑ったお客さんは、その日も観に来ていた人たちで、YOSHIKIの言い間違いを思い出したようだ。その日、YOSHIKIは寝る前に「千のお墓って、怖いじゃん!」と想像して、眠れなくなってしまったそう。ただでさえ睡眠時間が短いのに。 で、YOSHIKIは「秋川さんに歌ってもらって…」と言っていたけど、フルネームを思い出せなかったんじゃないかなあと邪推した私。
この曲は、Miracleを歌ったオペラ歌手が再登場。歌詞は英語……だったと思う。今度はYOSHIKIがきちんとオペラ歌手さんを紹介してくれた(でも、名前忘れちゃった)。「どうして、ポップスじゃなくてオペラに進もうと思ったんですか?」とか質問していた。YOSHIKI、ちゃんとMCやってるのがすごいなあ。そういうところも、成長したよねえ。
Swan Lakeは、優しく繊細なところもあり、力強く盛り上がるところもあり、「YOSHIKIのピアノを聴く」という意味ではこの曲が一番聴きごたえがあった。YOSHIKIの曲じゃなくてクラシックの名曲だから、純粋に「演奏」を堪能できたのだと思う。
Without Youについて、YOSHIKIが話したこと。 HIDEが亡くなったとき、ファンの皆を励まさなければ思って何回か記者会見をした。そのときはどうにかファンの皆を落ち着かせなくちゃと表に出ていたけれど、ロスに戻ったとき、部屋から出られなくなってしまった。ドアを開けられなくなってしまった。作曲するときはいつも楽器を使わず、直接譜面を書く。この曲もそうだったけれど、演奏したものを残しておきたいと思ってピアノで弾いた。でも、すぐに涙で鍵盤が見えなくなって、弾けなくなってしまった。Toshlが久しぶりに会いに来たとき、この曲を聴いてもらったら気に入ってくれて……。
そう言えば、Without Youのときだったか別の曲のときだったか、YOSHIKIはX JAPANの経緯なんかも話した。その中で、Toshlのことを「まさか日本を代表するヴォーカリストになるとは」と感慨深げに語っていた。
Without Youの演奏中、スクリーンには幼いYOSHIKIやXのメンバーの若かりし頃が映ったけれど、これまで何度も観てきた映像なので、La Venusのときみたいに号泣せずに済んだ。
Without You のあと、紅から繋ぎの短い曲、そして、ART OF LIFEへ。 X JAPANは関係なく、純粋に「YOSHIKI作曲」という枠で考えた場合、私はART OF LIFEに最もYOSHIKIの才能を感じる。いちファンとしては、ART OF LIFEこそ「作曲家YOSHIKI」の作品の頂点だと思っている。 最近のX JAPANのライブでは最終曲の定番になっているけれど、Toshlの歌がつらそうなので、より切迫感が増して聴こえる。オーケストラとピアノが奏でるART OF LIFEは、X JAPANでやるときよりも壮大で普遍的に聴こえると同時に、よりYOSHIKI個人の内面を表現している印象も受ける。人生の壮絶なドラマ。痛みも苦しみもすべて内包して、前へ、高みへ。
YOSHIKIは、ART OF LIFEの第二章を制作中だと言った。「本当は今回のコンサートに間に合えばよかったんだけど。でも、あと数ヶ月でできると思います」と。YOSHIKIが数ヶ月って言うなら、あと数年はかかるな……。
紅とART OF LIFEを繋ぐTransitionは、昨日の公演のあとに少し書き直して、バイオリンのソロを務める人には今日のコンサート直前に最新の譜面を渡したらしい。YOSHIKIも大変だけど、オーケストラも大変だな。
最後の曲Endless Rainは、X JAPANのライブみたいに歌ってもいいのか迷った。今回は、なんと言ってもクラシックコンサートなのだから。でも、曲の終盤で、YOSHIKIが客席の方を向いてにっこり微笑んだ。「歌って」の合図。それで、いつものように皆で合唱。
曲が終わると、客席からかなりの人数がステージ前まで走り寄った(←これは見ていてちょっと興ざめした)。YOSHIKIはお辞儀したり手を振ったり、差し出された花束やプレゼントを受け取ったりして、一度袖へ下がり、またすぐに出てきた。 鳴り止まない拍手と歓声、YOSHIKIコール。 繰り返されるカーテンコールの中、私は時間が気になり、YOSHIKIが満足そうな笑みを浮かべているのを確認して会場を出た。
(完)
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