月に舞う桜

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2006年08月23日(水) 中だるみ、そしてカトちゃんはやっぱりすごかった

夏休みもちょうど半ば、すでに休み明けの仕事がいやになっている。来週の月曜日の朝はきっとものすごく憂鬱なんだろうなぁ……。
ここのところ変な夢ばかり見る。今朝方は、26歳の誕生日を迎える夢を見た。夢の中の私は、26歳になったばかりなのに早くも27歳を迎えてしまう、と勘違いして、ものすごく焦っていた。その焦り方と言ったら、26歳と27歳の違いがまるで一生を左右する重大なことであるかのようだった。散々慌てふためいたあとで「あ、違う私は26になったんだ」と気づいて心底ほっとし、目が覚めてからその一連の心の動きを思い出して、夢の中の自分に苦笑した。
でも、実際のところ月日の流れは驚くほど速いから、きっとあっと言う間に27になり30になって、例えばhideの年だってすぐに追い越してしまうのだろうなと思う。それで私は、夢の中ほどじゃないにしても、たぶんかなり焦るのだろう。

ときどき、自分が我が家という空間に馴染めていないんじゃないかと思うことがある。今日の午前中もそんな感じだった。でもそれはたぶん錯覚で、本当のところは、起き立てのせいで頭がぼんやりしていて時間の流れに追いついていないだけなのだ。
今すぐやらなければならないことがあるわけでもない夏休み、なまった体、窓の外の有無を言わさぬ光。そういうのが重なって、自分と世界が乖離しているような感覚に陥っているのだ。
ちょうどコンポからは『WEEK END』が流れていてTOSHIが「I'm at my wits' end〜」と歌っていたけれど、私も何だか途方に暮れているよ、と思った。
もしも今、無職で、いわば「毎日が終わりの見えない夏休み」という状態だったら、私は何日でも無駄な日を過ごしていると思う。実際、2年前に前の職場を辞めてからの1年半がそうだった。
ここで問題なのは、本当に無駄な日を過ごしているかどうかではなくて、私が「今日も無駄に過ごしてしまった」と感じるかどうかなのだ。私には、どうやら「1日を有意義に過ごさなければならない」という強迫観念めいたものがあるらしい。かと言って、その強迫観念にせっつかれて朝から晩まで活発に動き回るかと言えば、全然そんなことはない。1日をだらだらとやり過ごして、夜になって(例えば浴室を出て体を拭いているとき)そんな自分の生活をやけに後悔したりするのだ。

今日は、電話しなければならないことがあったのを夜の6時になってやっと思い出し、慌てて電話をかけ、それから部屋のあちこちをメジャーで測ってみた。
夕食のあとに見ていたテレビ番組にはカトちゃんが出ていて、若手芸人との差を見せつけていた。何だかんだ言っても、何年も何十年も一つの世界で生き残っているベテランはすごいのだ。カトちゃんは最初から最後まで徹底的に芸人で、一瞬たりとも手を抜くことがない。何という腕、何というサービス精神! と思い、笑い転げるというよりは感心してしまった。感心されたって、カトちゃんも困るだろうけど。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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