月に舞う桜
前日|目次|翌日
| 2006年07月13日(木) |
Singin' in the Rain |
職場にいると外の状況が分からない。エアコンをつけているので外がどれくらい暑いのか分からないし、ブラインドを下ろしているので晴れているのか雨が降っているのか、はっきりとは分からない。 それで、「さて帰るか」と職場から一歩外へ出た瞬間に、強烈なむしむし空気に襲われて現実を思い知ることになる。思わず「うわ、暑い……」と呟いてしまうこともあるとかないとか。 今日は私が職場を出ると同時に雨が降り出した。雲の切れ間から太陽も青空も覗いているのに、雨。でも、これだけ蒸し暑いなら雨に濡れるのも気持ちが良い。ちょっと嫌なのは、バッグと靴が濡れてしまうことくらいだ。 雨と太陽と排気ガスと木々のにおいを感じながら、少しずつ強くなる雨に濡れて家路を急ぐ。急ぐけれど、心はちょっぴりウキウキしている。あぁ、やっぱり私は雨に濡れて歩くのがそんなに嫌いじゃいんだ、と思う。嫌いじゃないと思えるは、きっと、雨にも負けず射し続ける夕陽のおかげなんだろう。雨の降る日は嫌いだけれど、今日の帰り道は悪い気分じゃなかった。 私の中で小さくくすぶる不協和音は、太陽の光と雨のにおいで溶けてしまえ。
|