月に舞う桜

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2006年04月16日(日) いいとか悪いとかじゃなく

仕事を始めて二週間が経った。
二日間の休日なんて、本当にあっと言う間だ。かなしくなるぐらい。でも、仕事をしているとやはり生活にメリハリができて良い。
金曜日の仕事帰りに衝動買いしたスピッツのベストアルバムをかけて、団地の前の芝生でじゃれあう野良猫たちをぼんやり眺めながら、孤独って何だろうかと考えた。
人間というのは本質的に孤独なものだと思う。孤独だからこそ、他人と関わらずにはいられない。
私はときどき、たった一人で生きることができればいいのにと思う。でも、次の瞬間には、他人との関わりや繋がりや屈託のない交流を求めたりするのだ。
孤独というのは、たぶん、一人ぼっちということではなくて、自分という人間が他にいないということ。自分の人生を引き受けられる人間が他にはいないということ。
唯一無二は、それ自体誇りでもあり、絶望でもある。
誇りに感じているときは、一人の時間と他人との関わりとがうまくバランスを保っているとき。「一人で生きられれば」と願ったり、過度に他人との繋がりを求めたりするのは、唯一無二の存在に絶望しているときなのかもしれない。
誇りも絶望も、何もゆがめずに、ただそのまま自分の中に置いていられるように調節する時間。それが休日。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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