月に舞う桜

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2006年01月06日(金) 師匠

※4日(水)、5日(木)の分も更新しています。

3夜連続の『古畑任三郎』も終わっので、お正月気分からは本当に脱出しなければならない。
去年末からずっと、毎日、空が白い。そして、ものすごく寒い。今日は雪がちらついた。

師匠から年賀状が届く。
師匠というのは、大学時代のゼミの教授だ。ネット上では彼女を「師匠」と呼ぶことにしている。
研究室で卒論の相談をしているとき、師匠は私のことを「完璧主義なんじゃない?」と言った。おそらく、言外に「そうじゃなくてもいいのよ」という意味を含んで。私は自分のことをそんなふうに思ったことが全然なかったので、ものすごく驚いた。でも、師匠が言った文脈で考える限り、完璧主義という言葉はたぶん当たっているのだ(他の点では、決して完璧主義ではないと自信を持って言える)。私は、完璧にやるのが当たり前だと思っていたから、「完璧主義」なんていう特別な性質が自分とは結びつかなかったのだ。普通はもっと「穴が開いていても別にいいや」って考えるものなのかな、と目からウロコだった。
年賀状の文面は「その後レヴィナスは読んでおられますか?」という言葉で締めくくられていた。その言葉遣いがとても美しく感じられて、師匠らしいと思う。質問で終わっているのも、私たちの繋がりが続いていくようで(師匠がそれを望んでくれているようで)嬉しかった。師匠と話していると心がすうっと落ち着いていく、その感じを思い出した。
レヴィナスというのは、エマニュエル・レヴィナスのことで、私が卒論で扱ったユダヤ系フランス人の倫理学者だ。私をレヴィナスと引き合わせてくれたのも、師匠だった。

先生、ごめん。
卒業以来、レヴィナスは読んでいません。一年くらい前に、内田樹さんのレヴィナスとラカンに関する本を読んだだけです。
でも、あれからずっと、レヴィナスは私の中に居続けています。これからもずっと、それは変わらないと思います。


桜井弓月 |TwitterFacebook


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