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憂いの泉
イズミ
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2006年09月26日(火)
何もなければ左の道。


自分たちが前に進んでいるのか足踏みしているのか、よくわかりません。



彼が、いよいよ首が回らない状態らしく
借りてはいけないところにまで手を出したとかで、
返せない返せないって頭がおかしくなってきたんだって。

彼女曰く、私が彼と違うところは、
お金が足りないとわかったら仕事を増やすなりしてきちんと稼ぐところだそうです。
それは当たり前の話ではあるんだけど、彼はそれができない人種だと。
世の中いろんな人がいるもんです(私も他人のことは言えないけれど)。

それが彼の場合、お金がなくて電話を止められようとも
女の子と遊ぶのにはお金を惜しまないし、
調停して心を入れ替えてがんばるといっても
まともな収入が見込める新しい仕事を探すわけでもないし、
「習い生となる」というか「習い生を潰す」というか、
そういう金銭感覚と生活感覚の結びつかないちぐはぐな生き方が
彼の身に染み付いた性だということらしいです。

彼と10年弱もの間付き合ってきた彼女が言うんだから、間違いないんでしょう。

そんな彼にお金の話をされるのが彼女にとっては非常にとても嫌で、
その話をすると彼女はよく泣いちゃう。
それに耐えられなくなったときに別れる…っていうか彼を追い出して、
今度は私がそこに居座る、というのが私たちの算段ですが、さて。



還暦を迎えた今でも離婚せずにやっていけてる夫婦がいて、
「二人の間ですったもんだあったけど、やっぱりお互いかけがえのない
存在だからこれまでやってこれました」と言うとします。
「かけがえのない」でも「愛し合っている」でも「腐れ縁」でもなんでもいいです。

もし、彼女が彼の狂った金銭感覚にも耐えてこの場を乗りきり
どうにか家庭を維持していけたら、そのうち還暦も迎えて
上と同じようなことを言ってたりするんだろうなと思います。

こないだ岸部四郎が波乱万丈みたいなテレビ番組に出てて、
同じように借金で頭がおかしくなった彼を献身的に支えてきたという
奥さんも一緒に搭乗してきたときに、そんなことを考えたりしました。



ちょっと前に流行った熟年離婚という言葉をみても、
離婚も金婚式も紙一重だという感じがしてなりません。

何か「きっかけ」があれば右の道、それがなければ左の道、
ただそれだけの違いでしかないような気がします。

そして彼女は、その「きっかけ」のことを「ふんぎり」と呼んでいました。





エンピツ