鮭肉色のカーニヴァル
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物語の解体の物語
2005年07月17日(日) 

 祖父たちとホテルのフランス料理店で会食。三キロ先に厨房があるのではないかと思えてくるほど気の遠くなる料理の間隔に六人は苛立った。

 夕方から夜にかけてドトールとサイゼリヤをはしごして読書、計四時間三十分。久々に心臓にクリーンヒットを受け、余韻のために二冊目に突入できなかった。ポール・オースター『偶然の音楽』。解説を書いている小川洋子さんはタイトルの意味を小説のワンシーンに由来していると読んでいたが、ぼくは「偶然の音楽」=「人生」と読む。現代社会とはピアノの鍵盤をランダムに撃っていくことではないだろうか。一度に押される鍵盤はひとつ(身体はひとつしかない)なのでいっさい和音がないこの旋律は重くも軽くもある。




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