とある町で
DiaryINDEXpastwill


2020年11月15日(日)

娘と仲直りをした。

娘が
孫を連れて
3階に来て
時々声を震わせながら
謝ってきた。

それから少し話し合い
私も謝るべきところは
謝った。

8ヶ月の孫が
時々
「あーい!」と
合いの手を入れるのが
笑える。

表面的には
仲直りをした。

「仲直り」と言っても
完全に元通りというわけではない。

私は内心謝ったと言っても
何に対して謝ったのか?と
しつこく呟く自分がいて
じゃりじゃりした違和感が
残り。
そして
何かが変質したままだ。


多分
私が変質したのだ。

私の中で
娘は娘だった。
孫は
その娘の子供。


もう娘は
一人の
どこか他人で
別の家庭を持つ
人間で。

もう二度と
元の娘には
戻らなくて。


これは
子離れと
言うんだろうか。


3階にはクローゼットがあって
引き出しの奥に
袋がしまってある。

中には

子供たちが小さかった時に
私が手作りした
子供服が少し入っている。

娘と
下の息子のために
子育ての合間に
作ったものだ。
冬用の
小さなコートと
カーディガン。

もしかしたら
孫が着るかもと思い
とっておいたものだ。

でも
もうこれを孫が着ることは決してないと
分かった。

娘は
子供に新品を着せたがる。

その気持ちは分かる。
私も逆の立場なら
20数年前の服など
着せたくないと
思うだろう。

なのに
何故か
捨てられなくて
取っておいた。

それを
可燃ごみの袋に
入れた。


服を捨てる時は
お礼を言いながら捨てる、と
片付け上手の人が言っていたっけ。

ありがとう。
20数年前
子供たちを温めてくれて。
子供たちを守ってくれて。


最後の最後に
少しコケてしまったけれど
私は責任を果たしたのだ。
完璧ではなかったけれど。
過ちもあったけれど。
子供たちは
無事に大きくなり
大人になった。

私の役目は
終わったんだな、と
思った。

私ももう
二度と元の私に
戻ることはない。


久美

My追加