* たいよう暦*
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友人に子供が生まれた時、自分でほれぼれしたことがある。
「私は、赤ちゃんや子供の扱いがうまい」
抱っこなんてお手の物。 おしめをかえたり、遊び相手になったり、離乳食を食べさせたり、天才的にうまかった。 なんで普通のOLやってるんだろう。幼稚園や保育園の先生が天職だったんじゃないだろうか・・・と思ったことも、何度かある。 新米ママや、子供の多い集まりでは重宝される腕前であった。
「おかーさん、私、ほんま子供の扱いうまいで〜。天才ちゃうか」
日頃、ほんとにあんたって子は!と注意されることの多い母に自慢してみた。 人間、一つぐらい才能ってものがあるのよ〜ふふふーん〜なんてノリで。
ところが、母。とっても冷静に一言コメント。 「そりゃ、きたえられているもんね」
・・・? 意味がわからん。
「筋金入りでしょ。7つ離れた妹の面倒みてきたんだから」
・・・・! ああ〜!忘れていた! あまりに妹が大きく育ち過ぎていたから、すっかり忘れていた! そう!我が家には、私と7つ離れた妹がいたのであった!
小学校一年生の夏休み、妹が生まれた。 それからは、私にはお人形なんて必要なかった。 だって、妹をお人形がわりにすればよかったんだもの。 時には、泣き喚き、時には、よだれだらけにされるとんでもない生きたお人形だったけれど、私にとっても、その当時の私の同級生にとっても、すこぶるすばらしいお人形。 ミルクもおしめも抱っこも、全部その「生きたお人形遊び」で学んだのであった。
天性の才能だと思っていたのに、実は、経験から来る学習した能力なのだった。 なあんだ。私って、天才だと思っていたのに〜・・・。
それにしても、天才だと思いこんでいた自分のうぬぼれの強さにびっくりするとともに、妹の面倒を見た(みさされた?)こともすっかり忘れている自分の記憶力にも驚いた。 私って、大丈夫かいな・・・?
この鍛えられた腕前は、どこにいっても重宝される。 ありがとう、妹よ。 これ、すべてあなたのおかげ。
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