* たいよう暦*
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「プレゼント用に包んでください」 と言うと、 「えっ」 と言われてしまった。 胸元を見ると、実習生と書かれた名札をつけている。 私も思わず、 「えっ」
彼、きっと、プレゼント用なんて初めてだったんだろうな。 「えっ(そっ・・・そんなむずかしいことをっ!?!)」 彼の名札を見た瞬間、彼の状況がわかってしまった私。 「えっ(先輩がやるんじゃなくて、あなたがするの?!)」 お互い同じ「えっ」でも、内容は全然違う。
包装紙を引っ張り出してきた彼。 手が、ちょっとぎこちない。 見ているこちらも、どきどきしてきた。 なかなか、いい位置が決まらない。
うーん。 うーん、うーん。 うーん、うーん、うーん・・・。
人の倍ぐらいかかって、なんとかできあがりました。 ちょっといがんだりしているけれど、丁寧にやっているので、そのいがみもあまり気になりません。 「大変お待たせいたしました。どうぞ」 笑顔がやっと出て、渡してくれた彼。 「どうも、ありがとう」 肩の力が抜けて、やっと笑顔をかえせた私。
はっと気づけば、同じように緊張して私たちを見ていた先輩達がいた。 彼らの顔にも、笑顔が浮かんだ。
こうやって、見守ってくれている先輩がいると、彼もどんどんのびて成長していくだろうな。 がんばれ、実習生! 負けるな、実習生! じっと君のことを見守ってくれる先輩達に、いつ気づくのかな。 いい職場だね。
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