ラストフレンズ【レイうさ】

一回も観たことないのですが、シェアハウスのお話しと記憶しています(曖昧)
前に書いた、即位前にしばらく社会生活してみてる5人のお話の断片をちょいちょい書いていきたいなーと思って、一応シリーズ名を考えなきゃなーと思ってるうちに、これがうさぎちゃんたちにとって普通に友達でいられる最後の数年なんだなと言うことで「ラストフレンズ」に。

今回は21歳。うさぎちゃんが看護学校卒業する直前くらいの時期で、亜美ちゃん以外はみんな社会に出てもうすぐ2年目になるなって頃です。全然そんな状況関係ないんですが。なんかこういう他愛ないシーンをちょっとずつ書いてきたいだけなので、まったり読んでやってくださいー。




 あたたかい。目を開けるより先にそう思った。
光を拒む目を無理やり開けば、いつから忍び込んでたのか、小さくまとまって腕の中に収まる少女の金色の髪。
カーテンの隙間から漏れる光を反射して、きらきらと眩しかった。
「んぅ……起きたぁ?」
微かな気配で目を覚ましたうさぎが、腕の中で身じろぐ。
「……なんでいるのよ」
ふぁ、とあくびを漏らしながら、もぞもぞと心地のいい場所を整えるうさぎに、レイは呆れたような声を出した。
ついこの間まで、明けても暮れても実習と勉強に追われていたうさぎ。
顔もろくに見ない日が続いていたのに、突然こうして、腕の中でのんきにまどろんでいる。
驚くと言うより、呆気にとられた気分だ。
「だって、レイちゃんとこが一番ゆっくり寝てられるんだもん」
「?」
「亜美ちゃん学校だし、美奈子ちゃん会社だし、まこちゃん仕入れだし」
「悪かったわね、暇で」
「そんなこと言ってないもんー。レイちゃん、昨日お祓いから帰ってくるの遅かったから、朝はゆっくりするだろうって、」
言葉が途切れて、あくびになる。
なんだかよく分からないけど、と、レイは思考を置いといて、とりあえずうさぎを抱きしめた。
背中を包んで、頭を撫でて、久しぶりの体温を確かめるように感じ取る。
「とにかく、寝たいんでしょ? あたしももう少し寝るから。おやすみ」
うさぎは心地よさそうに笑いながら、うん、と弾んだ声を返した。
「おやすみなさい」

ゆっくり寝たい夜と朝に、ひとりより自分のベッドを選んでくれたこと。
抱き合って落ちた夢の中で、そんな喜びを胸に抱いてしあわせに微笑んだ。


2003年03月10日(月)
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