お姉ちゃんといっしょ:1【ルナミロビ】

「それでさ、たった今家族も故郷も失ったってのに、笑ってるんだ。人の気も知らないで。――なんかもう死ぬ気力も失せたんだよね。あたしもベルメールさんも」

「ああ、それは、分かるわ。」

「やっぱり?こんなとこまで引きずられてくるくらいだから、あんたもそうなんだろうと思ったよ」

「ええ。死んでもいいと思ってたし、死にたいとすら思ったのにね、不思議。あの笑顔が、生きる理由も帰る場所も全部くれたの」

「あたしたち、同類だね」

「そうね、同類ね」



「あいつら、ちらちらこっち見てんぞ?」

「知ってる。何話してんのかしらね。
 みょーに仲良くなっちゃって」

優雅なティータイムを過ごしている2人を見るでもなく、ナミは絡まったホースをほどいている。
ほどけた端からホースを伸ばし、ルフィが蜜柑畑に水をまく。
叩き込んで、やっとまともにできるようになった唯一の仕事だ。

「まあ、仲が良いのはいいことだな。」

「そうね」

しししと笑う声に、応えて笑う。
それを見ていた2人も、幸せそうに微笑んだ。





うっかりルフィも一緒に連れて帰ってきちゃってる辺り、実に無邪気です。
相変わらず三角関係断ち切れてない模様。
ノジコ姉もナミさん大好きで大事だから、ある種四角です。
未だに昔の馴染みたちがひっきりなしにやってくる、暗黙的に集合場所になりつつあるココヤシ村。


2000年01月17日(月)
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