まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2010年07月22日(木) ■日本でいちばん大切にしたい会社の話、その2

今週は、本の紹介です。
今日は、昨日からの続きで、
この本からの紹介になります。

今日は、少し長くなります。
週末にでもゆっくり読んでいただければ、
幸いです。 <(_ _)>



「日本でいちばん大切にしたい会社」





この本を読むと、日本には、まだ、
こんなすばらしい会社があるのだと、
嬉しくなり、いいなぁ、よかったなぁ、
私も社会に役立つ何かをしていこうと、
思えるような力をくれます。
機会があったら、読んでみてくださいね。




さて、今日はまず、
昨日の「二人」に書かれていた
日本理化学工業という会社の
お話の後日談からです。




この会社の大山社長は、
二人を雇いながら、こう疑問を感じます。



「どう考えても、会社で毎日働くよりも、
 施設でゆっくりのんびり暮らした方が、
 幸せなのではないか」と。




そして、ある日、
禅寺のお坊さんから、こう、
教えられたそうです。


           (ここから引用)

「幸福とは、

 1.人に愛されること
 2.人にほめられること
 3.人の役に立つこと
 4.人に必要とされること

 そのうちの2,3,4、は、
 施設では得られないでしょう。
 この3つの幸福は、
 働くことによって得られるのです。

 だから、どんな障害者の方でも、
 働きたいという気持ちがあるんですよ。
 施設の中でのんびり楽しく、
 自宅でのんびり楽しく、
 テレビだけ見るのが幸せではないんです。
 真の幸せは働くことなんです」


   
           (ここまで引用)


         
「みんな誰かの役に立ちたい」
そう願っている、という、
この答えを得てから、
大山社長は、積極的に障害者を
採用するようになっていくのです。




そして、こうなっていったのです。


           (ここから引用)

「能力に合わせて作業を考え、
 その人に向いている仕事を与えれば、
 その人の能力を最大限に
 発揮させることができ、
 決して健常者に劣らない仕事が
 できることがわかったそうです。
 そうやって創意工夫を繰り返していきながら、
 知的障害のある人を採用し続け、
 それが50年にもなったのです」


           (ここまで引用)



50年もずっと…
いろいろなことがあったろうに、
すごい重みだなぁ…
本当にすばらしいなぁ…
と、ただただ思ったのでした。

この会社のサイトはこちらになります↓
「日本理化学工業」
とてもあたたかい感じがでています。




さて、この本には、この会社の他、


■目先の利益よりも継続を心がけて 
 48年間増収増益
 「伊那食品工業株式会社」
 (長野県の寒天メーカー)

■「人を支える」会社には、日本中から社員が集まり、
 世界中からお客様が訪ねてくる 
 「中村ブレイス株式会社」
 (島根県の義肢装具製作)
 
■地域に生き、人と人、心と心を結ぶ経営を貫いていく
 「株式会社 柳月」
 (北海道のお菓子メーカー)

■さびれた商店街に輝く右肩上がりの小さな店
 「杉山フルーツ」
 (静岡県富士市)



という4つの企業の話が書かれています。
それぞれの話に、本当にすばらしいなぁと、
思う企業経営姿勢が書かれているのですが、
その中でも、特に、私の印象に残ったお話を
紹介しますね。




それは、
「中村ブレイス株式会社」で、
この中で、最初の社員のお話が、
ともかく、驚きでした。
そして、感動しました。




それは、こんなお話です。



           (ここから引用)

「最初の社員は
 「どこも就職させてくれない子がいるから、
  力になってくれないか」と、
 知人が紹介してきた若者でした。(略)
 中村社長が彼に会ったところ、
 顔は青いし、見るからにひ弱そうな
 感じだったそうです。
 だから、最初は断ろうと思ったといいます。

 しかし、
 「人を支えるという目的で
  設立した会社であり、また、世のため、
  人のために貢献したいと思って
  つくった会社ではないか…
  であれば、こういう若者の面倒を
  みるべきではないか」
 と考えて採用したそうです」


           (ここまで引用)



ところが、この若者、体力がないのか、
集中力がないのか、1時間も働いたら、
「疲れた」と言って帰ってしまう、
そんな日が続き、ある日は、
朝8時にきて、2時間働くと疲れて帰ったり、
ある日は、救急車で運ばれたりするのだそうです。
1週間もでてこなかったこともあったそうです。




でも、中村社長は、その子を
首にはしませんでした。

そして、その子が
通常の勤務ができるまで、
(午前8時から、午後5時まで)
なんと7年半もかかったそうです。




首にしなかった、
その理由は…



「あの子はあの子なりに、
 精一杯努力していたのです。
 私はそれを決して、
 見逃しませんでした」




ということでした。
そんな勤務状態を受け入れ、
7年半もかかったというのです。
さらに、こうおっしゃるそうです。



「その子を自立させたことが、
 今日のわが社の原点です」




そして…今、
その子はというと…



「実は、その若者は、
 自分の状態をなんとかしようと、
 家で寝ているときなど、医療とか、
 福祉、介護に関する専門書を
 すごく読んでいたらしいのです。

 結果的に、中村さんもかなわないくらい、
 その分野の深い専門知識を
 身につけていたそうです。

 働けるようになった彼は、
 医療や福祉、介護の見本市が広島で
 開かれたときなどは、
 オートバイで出掛けていって、
 「こういうものがあった、
  ああいうものがあった、
  でも、この商品はダメだから、
  この商品はこうしたほうがいいだろう」
 と、中村さんに報告したそうです。
 中村ブレイスの今の主力になっている商品には、
 彼のアイデアによるものがたくさんあるそうです」

 


まさに「人財」にしたのですね。
この話を読んだとき、
本当に、心から、
なんて、すごいんだろう…
なんて、すごいんだろう…
と、何度も何度も思いました。



それだけの期間、
その子のがんばりに気づき、その子を信じ、
人が育つのを見守ることができるとは…
しかも、この期間は、まだ創業したてで、
決して経済状態も安定していない時に…。




本当に、驚きとともに、
感動し、印象に残ったのでした。
「人に、ていねいに時間をかけることは愛」
だと、違う本で読んだことがあります。
まさに、中村社長の大きな「愛」が
そこにあったのだなぁと感じます。




今回は、私が特に印象に残った話を書きましたが、
この本には、すごい話が、もっと、
たくさん書かれています。
全部の会社がステキです。

この本に出てくる企業経営者の方にとっては、
私のように、ただ「感動した」や「すごい!」
と言っては、失礼なのだと思います。
そんな次元を越えていると思うからです。

ただ、そんなことばしか、
出てこない自分を情けなく思いつつ、
そして、この企業経営者の方々に
遠く及ばないまでも、
何かひとつだけでも、
社会にとっていいと思うことをしていこう、
人様の役に立てることをしていこうと、
思ったしだいです。


まだ、「日本でいちばん大切にしたい会社2」
は、読んでないのですが、必ず読みますから、
そうしたら、また紹介しますね。






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