まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2006年11月07日(火) 仰天ホテル…その3(少し小規模)完結編

さて、あまりに書くことが多すぎたので、
全部を書き尽くすのに、3日間もかかってしまった。
話題のつきないホテルなのである。


さて、昨日からの続きです。


今日は楽しみなはずの、食事の話から。
「温泉の食事(夕飯)は、あまり期待しない」
という方が多いが、私は期待する派である。
何がでてくるかなぁ、とか、
どんな味かなかぁ、とか、わくわくする。


しかも、今回の食事は、
この辺りの名物「炉端料理」



炉端を囲んで、食材を焼き焼きするのを
ほんのちょっぴり楽しみにしていた。
もちろん、今までの経過が経過だから、
とても全面的に期待はできない、品数もね。
そんな複雑な気持ちを持ちながら、
食事処に向い、案内される。

すると、舞台つきの大広間に通された。
見回してみると、何組ものお客様がいて、
炉端を囲んで食事をしていた。


おおっ、
これがこのホテルでいうところの炉端料理か…
こんな感じ。
これで4人分。






ふぅ〜ん。


私が期待していたような大きな炉端ではなく、
4人で囲めるような、小さな炉端に、
焼き物がこぢんまりとあるだけだった。

以前、私は秋田の炉端料理を出してくれる
温泉に宿泊したが…それに比べると、
見劣りまくりの炉端であった。


この炉端料理のほか、こんな膳があった。
これである。どう思います?






しかし、他のホテルの炉端やご膳と
比べても仕方あるまい。
ここは、この料理を存分に楽しもう…
私は気持ちを切り替えた。

しかし、やっぱり…
このホテルは他のホテルと違う。
あくまで違う。
「おもてなし」などという気持ちは
まるでないらしい。



さて、いよいよ今日の仰天である。


《仰天…その4》


私たちが席に着くと、給仕の女性がやってきたが、
なんとそれは、私たちを部屋に案内してくれた
「二日早かった」と言う中居さんであった。


やや、仰天!


仲居さんから、給仕に早変わりして、
この大部屋で頑張る無表情のおばさんなのだった。
私たちは、思わず顔を見合わせた。
おばさんは、相変わらずの無表情で、
「後で、食事の説明に違う者が来ますから」
と言って、追加した飲み物などを出すと、
いなくなってしまった。


しかし…


食事の説明をしてくれる人など
いつまでたっても来てくれない。
どうやら、私たちは忘れ去られているらしい。
お腹も空いているので、
説明をまたずに食べ始めることにしたが、
炉端ものが焼けているのかどうかよくわからない。

そこで、あの無表情のおばさんを呼ぶ。
「あの〜、この炉端もう焼けてます?」
すると、おばさんは、こう言った。


「あら、説明に、来ないんですか?
 じゃ、簡単に説明しますが、これは○○、これは△△。
 詳しくは、お品書きを見てください。
 炉端は食べるときに気を付けないと、
 落としますから、いろりの方を向いて食べてください」
「はぁ〜、で、これはもう焼けてますか?」
「それはまだです。よく焼いてから食べてください。
 それと、茶碗蒸しは温かいうちに食べてください。」



と、ものすごい簡単な説明を受けたので、
私たちは、
「はい、わかりました」と言い、
炉端ものをよく焼き、もちろん、
茶碗蒸しから、大急ぎで食べた。


はっきり言おう。

食事はすべてが貧弱。
美味しい…などという感覚とは
無縁の料理であった。
その上、薄味で、料理の量もちょっぴりの
味も量もケチったれた料理であった。



炉端焼きなんて、
すでにある程度コチコチに焼かれたもので、
それをもう一度火を通すという具合なので、
食べるときには、すっかり堅くなっていた。
お刺身は、小さな二きれのみ(膳右上)
焼き物の肉も小さな二きれだけ。


ささやかである。
全くささやかである。


しかし、いちばん驚いたのは…
家に帰ってきてから、
このホテルのホームページを見たときで、
あまりの食事の内容の違いに…


ビックリ仰天!



私たちは、秋のコースを選択していたが、
そのコースの説明に出ているホームページの写真とは
かなり違うものだったのだ。
しかも、数えてみたら、どう見ても、
私たちの食事は2品ほど少ない感じだった。
このときの、お品書きを持って帰らなかったので、
確認は出来ないが…少なくても、
付くと書いてあるもので、出てきてないものが
2品、間違いなくあった。



覚悟していたとおり。
やっぱり、品数は足りなかった。
そして、看板にいつわりありだった。

これが、私たちに対する、女将の仕打ちかどうか、
これが、このホテルの標準なのかはわからない。

もう、このホテルについては、
期待することをすっかり諦めていたが、
食事までこうだったとは…
帰ってきてからもガックリ来たのであった。


ひどいね… 


さらに、こんな
小仰天もいくつかあったのだ。



《小仰天…その1》


お風呂で、シャンプーはあるがリンスはなし。
リンスもあると思っていた私たちが甘かった。
でも、今どきは、どの宿泊施設でも、
シャンプーとリンスはあると思う。
でも、このホテルは、リンスなし。
その他、顔洗いもあるにはあったが、
ポンプの中味はほとんどカラだった。
ケチ。


《小仰天…その2》

朝は和食バイキングだった。
そこに、オレンジジュースがあったが、
全部のコップに半分かそれ以下の量しか
入ってなくて、ものすごくケチったれ。


《小仰天…その3》

朝食が終わってから、ラウンジで
別料金のコーヒーを飲んだが(400円/杯)
あまりの薄さに全員ただ呆然…
アメリカンのお湯わり状態ね。
コップの下まですっきりと見えた。

ここまで薄いコーヒーを飲んだことはないぞ。
しかもぬるいし…
このコーヒーを平気で出す人の気がしれない。
あまりの薄さに、残してしまった。
こんなところで、ケチって…
400円返せ!


《小仰天…その4》

チェックインしたときに、朝の布団を上げる
時間を聞かれて、8時半とお願いした。
しかし、私たちが、7時頃に朝風呂に行き、
戻ってくるとすでに布団は上げられていた。
(8時前に戻った)
私たちは、まだ時間があると思って、
部屋を乱雑にしていたので、
とてもイヤな気持ちだった。
こんなお客との約束も、
守られたりはしないのであった。


《小仰天…その5》

部屋にある金庫だが、無表情の中居さんの
説明では、
「100円入れるけど、100円は戻ります」
のはずだが、100円は戻ってこなかった。
100円返せ!



些細なことだけど、重なると、
このホテルの姿勢そのものを疑う。
これでは、とてもサービス業とは思えないし、
ホテルとしての体をなしてないと思う。


しかし…


このホテルの欠点だけを見過ぎているのではないか…
と、私は思い、いいところも考えてみた。


あったか…?

あ、お湯そのものはよかったかな…
露天風呂も気持ちよかった、
見られなければもっとね。


あとは…うーん…

ごめん…ない。




そして、
ここで私は、気がついた。



そっか…
このホテルはとても経済的に苦しくて、
あらゆるところで、節約をしているのだ。
そのためには、なりふり構わず、
お客のことなど考えず、
ただただ、節約しようとしているのだ。



だから、
女将も値上げ交渉してきたのだ。
そして、
おばさんの笑顔を節約し、
露天風呂の屋根を節約し、
食事の品数を節約し、
リンスを節約し、
オレンジジュースを節約し、
コーヒー豆を節約し、
金庫で100円とっているのだ。



こんな状態では、リピーターなど来るはずもないが、
お客をリピーターにしようなどという
余裕はなく、ともかく節約と合理化をしているのだ。
いつ来るかわからないリピーターより、
今の目の前の売上が大事なのである、たぶん。


なんだかな…


こんな仰天ホテルだったが、
私たちは、この仰天を大いに楽しみ笑い、
二度と来ないことを誓いあった。

さて、そんな仰天ホテルを
いよいよ立ち去るときが来た。
玄関に行くと、なんとそこに女将が立って、
帰る人たちの見送りをしていた。


私は女将を見た。
女将も私を見た。

すると、
女将はこう言った。



「また、お越しくださいませ…」


いやはや…最後の最後まで、
仰天させてくれるホテルだった。





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