言の葉孝

2007年12月17日(月) 一つじゃない無駄


 その時は一生懸命やっているつもりでも、振り返れば何もできていなかった。
 そういう日は誰しもあるものだ―――と、僕は思う。
こうした不毛な日が続いたりすると、前に進めていない自分がひどく惨めに思える。

 しかし、今日はちょっと様子が違った。
 僕の一年先輩で、これまた厳しい上司を持っている先輩がいるのだが、僕が怒られている横でその先輩も怒鳴られていた。

「なんや、お前、今日やっとったこと答えられへんのかい! なら今日は一日無駄に過ごした言うことやな!」

 するとすかさず僕の上司が、「ここにも、一日無駄にしとったやつ、おるで」と、はやし立てるように告げたのだが……

 僕は内心ちょっと嬉しかった。一日を不毛にしてしまったのは僕だけじゃない。そう思えるだけで、ちょっと気が楽になった。

 きっと、無駄じゃない日々を過ごすのはとても難しいことなのだ。もちろん時間を無駄にするのはよくないことだけれども、自分だけが時間を有効に使えていないわけではない。

 焦らなければならないけれど、慌てず行こう。


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想 詩拓 [MAIL] [HOMEPAGE]
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