その時は一生懸命やっているつもりでも、振り返れば何もできていなかった。 そういう日は誰しもあるものだ―――と、僕は思う。 こうした不毛な日が続いたりすると、前に進めていない自分がひどく惨めに思える。
しかし、今日はちょっと様子が違った。 僕の一年先輩で、これまた厳しい上司を持っている先輩がいるのだが、僕が怒られている横でその先輩も怒鳴られていた。
「なんや、お前、今日やっとったこと答えられへんのかい! なら今日は一日無駄に過ごした言うことやな!」
するとすかさず僕の上司が、「ここにも、一日無駄にしとったやつ、おるで」と、はやし立てるように告げたのだが……
僕は内心ちょっと嬉しかった。一日を不毛にしてしまったのは僕だけじゃない。そう思えるだけで、ちょっと気が楽になった。
きっと、無駄じゃない日々を過ごすのはとても難しいことなのだ。もちろん時間を無駄にするのはよくないことだけれども、自分だけが時間を有効に使えていないわけではない。
焦らなければならないけれど、慌てず行こう。
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