言の葉孝

2007年06月17日(日) 戦う司書シリーズ


 仮配属から2週間が経過し、大分させてもらえることの幅が増えた。電話番だけから、伝票処理、金曜日には見積書を書く練習もさせてもらえた。
 こうして段々できることが増えていくのだろうが、責任のようなものも同時に増えていく心地もする。この高い緊張感からはしばらくは抜けだせそうにない。


【戦う司書と恋する爆弾(山形石雄/集英社スーパーダッシュ文庫)】 評価:A

 ところで、図書館から借りたライトノベルで集英社スーパーダッシュ文庫の『戦う司書シリーズ』を読んだ。前に人に勧められていたのだが、先日不意に図書館で1〜4巻まで揃っていたのを発見し、借りて読んでみることにした。

 死んだ者は『本』と呼ばれる石になり、それを読むことで死んだ者の追体験をすることができるという独特のシステムがある世界を舞台にした物語で、それがゆえに世界観もかなり新鮮なものがある。

 シリーズの主人公はハミュッツ=メセタという『世界最強の武装司書』であることから、このシリーズは“まほゆめ”もその中に分類されるらしい“主人公最強モノ”かと思われたが、実は全く違ったものだった。

 このシリーズではハミュッツの他、各話個別の主人公が設けられており、実質的に話はその人物を中心に展開される。(というか、話によってはハミュッツは“命を狙われる存在”として以外ほとんど話に関わらなかったりする)
 そのストーリー構成は同じ小説家として、脱帽ものの上手さが感じられた。特にシリーズ最初の『戦う司書と恋する爆弾』は秀逸だ。

 シガルによる“爆弾人間”をつかったハミュッツ=メセタ暗殺作戦と、その爆弾人間が“本”を通して、千年前の人物“猫色の姫様”に抱く恋心。どう考えても繋がらないはずの全く違っているはずの話が、その実繋がりを見せる伏線があり、「どうなるんだ?」と、終止考えながらついつい読みふけってしまう。
 そして、結末にはその二つの話は見事に繋がり、納得感を与えられる。

 ある程度の読解力は必要だが、ジャンルに縛られない物語であるので、どんな人でも楽しめる作品だと感じた。

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想 詩拓 [MAIL] [HOMEPAGE]
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