言の葉孝

2007年03月31日(土) 卒業


 卒業式自体は3月17日だったが、実質的に3月29日が僕の卒業式だ。
 17日はちゃんと出席したが、どうもいかにもという感じで皆に見送られてもあまり実感が湧かなかった。というか、その後もイベントの残務処理(お礼状を書いたりする作業)や、オクトの入稿作業が残っていたので大学に来る予定があったからかもしれない。
 それも全て終わり、29日が実質的に学生として大学に来る最後の日だった。

 今日はタカスギ君と合うはずであったが、急用で来られなくなったらしい。よって、モモサポの面々と会うこともなかった。見送られているときは特に何も感じなかったのに、誰もいない会議室で過ごしていると、ふつふつと胸の中に沸き上がってくるものを感じる。
 カナダから返ってきてからの2年間だけだったが、この会議室内にたまった思い出は濃い。得られた物も多かった。これからは自由に出入りできない、これからのあの会議室には僕がいなくなることを思うと、いささか名残惜しいものがある。

 会議室を後にした後、学部事務室に行って、卒業証書をもらい、の会社にもっていくための卒業証明書と成績証明書を受け取り、生協を脱退するための書類を提出して、皆が卒業式の日にやっていた手続きを踏んだ。

 その後に行ったのが出版会の部室だ。特に用事はなかったが、一回生の時からずっと大学における自分の居場所であり続けた部室を、もう一度みておきたかった。部室にはカミヤ君がおり、5月に行われるイベントのためのパンフレット作りのために忙しそうに動いていた。
 それを脇目に、僕は特にすることもないので「映画秘境」の自分の分を確保したあとは、漫画を読んでいただけだ。折角の卒業らしい情緒が台なしだ、と後悔する気持ちもなくはないが、それでもカミヤ君が返り、自分で鍵を閉めたまま、本当に大学生活が終わったことを感じた。

 大学の門を出た後で大学を振り返る。機会があれば帰って来ようと思っているので、これで見納めと言うことはないが、それでもこれは一つの終わりだ。―――入学式の時に門をくぐった時から五年間続いてきた僕の大学での物語の。

 高校を卒業したばかりの自分は、どんな期待と不安を大学生活に抱いていたのだろうか。それはもはや思い出せない。
 しかし、僕の歩む“道”において、時々つまづきながらも、この5年間での前進は決して小さなものではない。それほどに濃く、意義のある5年間だった。

 明日から僕の身分は「会社員」になる。明日から始まる物語、聞かせるに耐えるものかどうか、それは僕自身の志一つに掛かっている。





web拍手レス(随分クサいこと言ってるけど、これが結構俺の本性だったりするんですよね。ろ、ロマンチストじゃなきゃ物書きなんてやってられないんですよ!?)

>「いい加減ブログにすればいいと思う。」

 名前は伏せさせていただいておりますが、お久し振りです。ここのところ日記をサボり気味でレスが遅くなって申し訳ない。

 読者にとってはブログのほうが見やすいんでしょうか? 僕が読む側に回った時はブログのほうが重かったり、もう一度読みたくなった昔の記事を探し出すことができなかったりして今いち好きになれなかったのですが……。

 でも、稀に『呪縛の蝋』のように短編をUpするのに使ったりするので(まだこのパターンで発表している作品はこれ一つしかないのですが)、小説を書く分にはエンピツ日記は適してるんですよ。

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