この週末は大学祭前日から大学祭3日目まで、3晩泊り込んだ。ただの模擬店業務ならそんなに居残る必要はなかったのだが、今回は大学祭に配布するはずだった『映画秘境』の執筆編集作業が週末までもつれ込んでしまったため、徹夜作業を余儀なくされたのである。 もともと、ノルマの5作品分の紹介を書いたら終いにするつもりだったのだが、ページが少ないということで、締め切り後15作品分を書き足した。
また、モモサポのほうでもNBA解説者の島本和彦氏を招いての講演会を抱えていたため、2晩目と2日目はもっぱらそちらのほうで活動をしていた。元々、大学祭は人手の少ない出版会のほうをメインにするつもりだったので、今までの講演会の準備段階はほとんど手をつけていなかったが、当日スタッフとしては参加するつもりだった。 ただ、その折に島本氏にコネを持ち、この講演会を企画したマスオカ君の計らいでそのインタビューをすることになっていたので、出版会で泊り込みをしていたのは、その下調べと質問作りをするため、ということもあった。
バスケットボール界のことはあんまりよく知らないので、そのすごさは実感できないのだが、調べれば調べるほど島本氏の凄さがわかってくる。実際、インタビューで話を聞いてみると、知識の豊かさや器の大きさというものが伝わってきた。 島本さんについての詳細は一日に書ききれないので記事を書くための材料を並べるついでに、後に述べることとする。
しかし、先に述べたとおり警備員や整理券配りの事務的でつまらないが責任皆無の仕事を任されるかと思いきや、インタビュー直後の島本氏の意向で講演会で話の終わったあと、ミニインタビューが盛り込まれることになった。 何しろ、突然の提案。しかも人前に出て対談形式で島本氏と話せというのである。これで緊張しない人は心臓に毛でも生えているに違いない。しかし、島本氏は初めて試合の解説者をやったとき、さっぱり緊張しなかったそうだが。
とりあえず、インタビューと同じことをちょこちょこ聞いていくだけで、島本氏はどんどん話して言ってくれたので僕がそれほど話す必要がなかったのでたすかった。あとで、モモサポの面々も「悪くなかった」と評価してくれたようで、とりあえずほっとしたが。
さて、出版会の模擬店は射的屋だったのだが、一日目は金曜日だったために外来が少なく(←子供向けだから)、二日目は雨でさっぱり儲からなかったらしく(←前述の講演会で一日抜けていた)、どうなることかと思いきや三日目で大量に客がきてまあまあ儲かったようだ。一等は今回出なかったものの、三等以下がほとんど残らず、四等の飴玉が少し残っただけだったので、むしろ二日目も晴れてこの調子で客が集まったら商品が明らかに足りなかった。
とりあえず今日で後片付けも終わり。明日の火曜日からは問答無用で通常授業が始まったりするのである。
【過去 リメンバー(北方謙三/角川文庫)】 評価:A(かなり良かった!)
北方謙三作品は2作目だが、少し残念な感じがした前回(『さらば、荒野』と違い、この作品は読者が置いていかれることなく話が続き、川口の残した謎や渋い言動の主人公・内海の魅力に惹かれて、先へ先へと読み進むモチベーションが保たれる出来となっている。 また、川口の、死体はただのモノだから尊重する必要はない、という思想に対し、この話の内海の行動で反論するというストーリー展開も暗喩的ではあるが比較的明快なメッセージだ。
この作品はタイトルに記されるとおり、メインである内海が川口のために、彼が過去に起こした事件の動機を調べる過程で、今回関わってくる人物との出会いなどを思い起こす回想が頻繁に挿入されるのだが、それが物語に深みを与えているのも俺がこの作品に魅力を覚えた一因だ。ハードボイルドにしてはやや感傷的なほうが、俺としては好みなのである。
ただ、苦言を呈すれば最後に明かされる過去が、矢沢一成の口からすべて語られてしまうことだ。推理小説で言えば、証拠をつかんで論理的に追い詰めていくところだが、この作品では犯人がすべてを語ってしまう。 推理小説ではないのだから、特に推理で明かす必要はないのだが、せめて矢沢以外の人物から証言として語ってほしかった。
【匠の世界 1巻(内橋克人/講談社)】 評価:A(ためになった!)
たまには溜まる知識の多いノンフィクションを読もうと思っていたところに大学の図書館で見つけた作品である。 正直言って期待はしていなかった。あらすじを読むに、プロジェクトXを文章化したようなものだと思っていたが、映像ならともかく、往々にしてノンフィクションというのは面白みにかけると思っていたからだ。
ところが読み始めてみると非常に面白い。今では身近にあるさまざまな製品が創り出され、今の形になるまでの過程が裏事情も含めて緻密に描かれている。 この本でとても評価できるのは、技術屋で理系の話、しかもきちんと製品に使われる技術の説明は入っているにも関わらず、文系の自分が読んでも興味を失わなかったことだ。おそらく、そういう風に文章に配慮が見受けられた。
あまり技術畑の事情はわからないが、最近は劇的な技術革新の隙があまりないが、このICやLSIが普及し始めたころの機械は進歩が目に見えてさぞ面白かったことだろう。
web拍手レス(さて、物品であふれ帰り、混沌とした部室をどうしてくれよう)
今日は拍手コメント……はありましたが、レス不要ということで公開はしません。
ご心配おかけしました。
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