2023年01月16日(月) |
人はどう死ぬのか / 久坂部 羊 |
メディアばかりでなく、フィクションの世界でも、医療がらみのジャンルでは、明るく楽しく感動的な物語がもてはやされています。ハッピーエンドのドラマを見て、視聴者が現実の医療もこのように素晴らしいものだとは、まさか思わないでしょうが、それでも心の準備を怠らせ、いざ自分が深刻な病気になったとき、深い絶望と怒りを味わう危険がたかまります。 本書では、悲惨な現実や辛口の指摘を書きましたが、それは危機管理として、心の準備をするために必要だと思ったからです。実際に医療の限界や矛盾、不条理をみききした者として、不愉快な事実であっても、それは率直に伝える義務があると思っています。
ー あとがきより ー
一月前に主人を亡くしたので、死を現実のものとして経験した。 正直に言って終末期の医療に絶望した。 以前読んだ本の「大往生したければ病院と関わるな」である。 でも仕方なかった。
この本に書かれている病院で死ぬことの現実を目の当たりにした。 尊厳死協会に入会していたのにだ。 尊厳死受容の医師も現実にはおられるのだから、決めつけることはできないにしても、いまのコロナワクチンの是非論にも通じる気がする。
感想としてはよくぞ書いてくださったと、感謝しかない。
私自身、どんな最後を迎えるのかわかりませんし、上手に死ぬ自信もありません。あれほど在宅死を勧めていたのに、自分は病院で死ぬかもしれません。 最後の最後まで治療にこだわり、チューブや機械につながれて、尊厳のない状態で死ぬ可能性もあります。そのときは嗤っていただいて結構です。たぶん、その嘲笑は私の耳には届かないでしょうが。 結局、だれしも一回きりの死は、自分自身の死を死ぬ以外にないということです。 少しでも多くの方が、そのときをうまくやりおおせることを、心から願っています。
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