読書記録

2022年07月16日(土) 敗北への凱旋 / 連城 三紀彦


終戦から間もない降誕祭前夜、焼け跡の残る横浜・中華街の片隅で、隻腕の男が他殺体となって見つかる。
犯人と思しき女性は更に娼婦を殺したのちに自らも崖に身を投げて、事件は終結したかに見えた。
しかし、二十年以上の時を経て奇妙な縁からひとりの小説家は、殺された隻腕の男が陸軍大将で、才能あるピアニストでもあった事実を知る。
戦争に音楽の道を絶たれた男は、如何にして右腕を失い、名前を捨て、悲しき末路を辿ったのか。
そして、遺された楽譜に仕組まれたメッセージとは_美しき暗号が戦時下の壮大な犯罪を浮かびあがらせる。


楽譜も読めないしピアノも弾けないけれど、音楽に心得のある人なら面白い小説だろうなと思う。


 < 過去  INDEX  未来 >


fuu [MAIL]