2021年02月25日(木) |
鎮魂ハルの生涯 / 古川 貞二郎 |
著者は、村山、橋本、小渕、森、小泉の各内閣で8年7ヶ月の長きにわたり、官房副長官を務め、「官僚中の官僚」とも呼ばれた人。
立身出世を遂げたいま、思い出すのはふるさとの四季、そしてふるさとにあった母。自分の仕事の都合で、母を郷里・佐賀から切り離してしまったのではないか。職務最優先は当然であるが、そのときどき、もっと別の方途があったのではないか。思慮に富み、親思いの方が長く「官僚のトップ」であってよかった。去来する深い思念を平明達意の文でつづった物語。
ひと昔前の家を守り、義両親に仕え夫・子供のためにただひたすら生きた人、たぶんどこにでもいた母の物語。
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