2021年01月02日(土) |
善医の罪 / 久坂部 羊 |
この小説は2002年に発覚した「川崎協同病院事件」をモデルにした実話小説。
主治医が善意で行った尊厳死を、 3年後に麻酔科医が悪意をもって院長に内部告発し、彼女をやめさせるよう強要した。 また、主治医に感謝していた遺族が、賠償金が得られるとわかるや豹変した。 100%患者さんのことを思ってした医療行為なのに、人間関係と金銭 の からみで、主治医が殺人医師として訴追され、懲役3年執行猶予5年という有罪判決が下された。
私が感じたのは普段から余命治療を望んでいなかった患者がリビングウィルを残していたならまた展開も変わったのではないかと。
それにしても安楽死の何処がいけないのだろうかと、私は強く思うのだ。 人間は必ず死ぬ、どんなに名医であっても救えない命はある。 誰だって穏やかな死を迎えたいはずだ、それなのに。。。
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