2020年03月07日(土) |
家事労働ハラスメント / 竹信 三恵子 |
━生きづらさの根にあるもの
食事の支度や後片付け、洗濯、掃除、育児に介護・・・。だれもが必要とする「暮らしの営み」のはずの労働が、なぜ正当に評価されないのか?
著者は薬剤師資格を持ち、町の薬局を経営するシングルマザーに育てられた。 家が職場だから比較的、恵まれた環境にあったがそれでも忙しい日々をおくっていた母を見ながら成長した。 そして結婚してからは、家事と育児と会社の長時間労働のはざまで、なぜこんなに働きにくいのかと悩み続けていた。悩んだ挙句、私はその苦しさの根に、家事労働という仕事を、労働時間でも社会政策でもまったく考慮せず、とにかく家庭や女性に丸投げさえしておけば収まると思い込んでいる日本企業の労務管理や政府の社会政策があると思いあたった。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」 女なら家事・育児・介護はして当たり前という風潮。
だが男も定年まで働けるという保証が崩壊して、リストラや非正規雇用になることも珍しくない。 女も働かざるを得ない状態になった時、家事・育児・介護がネックになる。
夫婦で赴任したシンガポールの事情や、オランダ・スゥエーデンの取り組みのほかに、いろいろ文献やら取材やら勉強されている。
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