みをつくし料理帖の完結編。
物語とは承知をしつつ、すべてが上手く収まって本当に良かった。 有難う、有難うと大きな声を上げてお礼を言いたい気分。
主人公の澪が小松原さまを慕っていたころから、じっと澪を見守っていてくれた源斉先生と一緒になれるなんて夢のよう。 女料理人の身で吉原の花魁になってしまった幼馴染の野江を身請けするなんてスゴイとしか言いようがない。 そして その野江と生まれ故郷の大阪に帰るというのもスゴイ!!
二百文の料理も、二十文の料理も、どちらも気を抜かず、手を抜かない。そうすることで拓ける道がきっとある━そう信じよう。思うこと、悩むことは尽きないけれど、今、この刻は一心に料理に向かおう。澪は自身に言い聞かせて、擂粉木を動かし続けた。
私が時代小説を好きな理由のひとつに それぞれの物語の作者が描写する着物がある。
裾に薄と桔梗をあしらった銀鼠色の紬。 渋い褐返(かちかえし)の紬の綿入れ羽織。 泥染め黒八丈の綿入れ羽織。 天色地に水紋と燕を配した袷、等々・・・
昔は着物や帯をトータルで揃えるといった悉皆屋なる商売もあったようで、今でもスタイリストとかコーディネーターという職種になるのだろうけれど、作者が登場人物に着せる着物が大好きだ。 出来ることなら映像で見てみたいものだとつくづく思う。
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