読書記録

2007年11月17日(土) わが屍は野に捨てよ   一遍遊行         佐江 衆一

 
 
 父の願いで承久の乱で死亡した祖父や伯父、そして母の菩提を弔うため十三歳で出家した一遍だったが、父の死により一度は武士に戻りながらも再出家した。
かつての妻・超一房や娘の超二房をはじめ多くの僧尼を引き連れ、人は欲望を捨てられるのか……という迷いに向かって遊行に出る。
断ち切れぬ男女の愛欲に苦しみ、亡き母の面影を慕い、求道とは何かに迷い、己と戦いながらの十六年の漂泊だったが踊り念仏をひろめ、時宗の開祖となって寺をもたず、宗派もたてず捨聖として遊行しながら生涯を終えた。

 一遍は信心のないものや下層階級のものでも念仏を唱えることで等しく救われると説き、全国に救済のお札を配り、踊り念仏により人々の心をとらえ、庶民に至るまで爆発的な人気を得ていく。



阿弥陀仏はまよひ悟の道たえて 
  たヾ名にかなふいき仏なり
南無阿弥陀ほとけの御名のいづる息
  いらば蓮の身とぞなるべき

            一遍辞世














 


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