夜7時頃、「P−ぽ」というペットショップに彼女と一緒に足を運んだ。
目的はフェレットを飼うために必要なグッズを揃えることだった。
その店の品揃えはなかなか良く、フェレットの毛玉取りやおやつを買うことができた。
ついでに、と軽い気持ちでその店で売られていたフェレットを見た。
売られていたのは3匹だったが、そのどれもが可愛い奴らだった。
店の人に頼み、抱かせてもらったのだが、驚いたことにその店のフェレットは全然人を噛まなかった。
今までの店では必ず抱かせてもらうたびに手ひどく噛まれていたので、噛まないことだけでも驚きだった。
「噛まないフェレット」
それは僕らが探していたフェレットだった。
出身地はアメリカのパスヴァレーというところとのことだった。
「決めちゃおうか?」
僕らは話し合って、その場でそのフェレットを買うことに決めた。
言ってみれば衝動買いだったが、迷いはなかった。
その出会いにちょっとした運命的なものを感じていたのである。
店員さんは丁寧で、事細かにいろいろなことを教えてくれた。
持ち運び用のゲージも購入し、それに入れて持ち帰ることにした。
自分たちで決めたことだったが、突然の急展開に胸の高鳴りが収まらなかった。
「本当にフェレットが家に来るんだ……」
家に着き、ゲージにフェレットを入れるまでそれが信じられなかった。
ゲージに入れられたフェレットは、生活の場が変わったことに興奮している様子だった。
ゲージの中を右往左往、飛び跳ね回って夜遅くまで休まることがなかった。
フェレットを見ているこっちも、興奮でなかなか気が休まらなかった。
何はともあれ、新しい家族が今日から増えたことになる。
明日からどんな日々が待っているのか、今から楽しみだ。
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