コミュニケーション。
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2007年07月29日(日) ブレーキ









「マリ、俺の傍を離れるなよ」




「はい」




「ホントか?」





びっくりしたみたいに言うから、
吹き出すのを我慢するのに苦労した。





強引なくせに、
妙なところで自信がない人だ。






思い出したくもないけれど、
コンビニの常連のじじぃが、
夜道でばったり会って、
「お仕事ですかー??」
などと世間話をしていたときに、

まぁ大体が、以前から、
「マリアちゃん可愛いね〜可愛いね〜」
と連呼していたじじぃだったのだが、

あろうことか胸を触ってきやがって
あたしはびっくりしたけれども、
地が水商売みたいな女なので、
「いやだ○○さんたら〜」
と笑顔で逃げて、
そんな自分も嫌だったし、
予想以上のおぞましさが体から離れなくて、



母親と2人でくそじじぃがと連発して、
母親が、「とにかく忘れなさい」と言ってくれて、
大分気が楽になった気がしていたけれど、


社長に話して、
手を握ってもらったら、震えてきちゃって、
あぁ怖かったんだ、怖かった、と思った。





「俺がついてるよ」




なんてセリフは、
さすがの社長でも多少歯が浮いていたみたいだけど、
言ってくれる気持ちが嬉しくて、
まだ少し慣れない、
自分のより低い位置にある肩に、頭を預けた。






もう大分前に、答えは出てしまった気がするんだ。
だってあなたを知れば知るほど、
あたしの理想の人だから。





だから、
今回の騒動を、誠さんに言う気になれないんだ。
正直思いつけなかった。
泣きたくなるくらいの安心感はあっても、
守ってくれるという安心感がもてない。
むしろ逆で、今まではそれでよかったのに、
やっぱり手のひら返しちゃうわけ?と、
自分の「女」っぷりに嫌気が差すけれども。




後1歩を踏み出せない弱気さや、
また繰り返すことへの罪悪感や、
隠し事のやり繰りや、
自分の移ろいやすさへの嫌悪とか、
そんなものがもやもやとして離れない。






「一途」がどうして身につかないんだろう、
好きなのに、と思っていたけど、
あたしに限って言えば、流されやすい女だから、
「一途であること」が、既に、
相手のために出来ることなんだ、と気がついた。





もうちょっと時間が欲しいの。
週3回は必ず会って、泊まるのも自由な社長と、
月1回ゆっくり会えるか会えないか、の誠さんじゃ、
縮まる距離のスピードが違う。
社長と、もう随分長いこと一緒にいるような気がするのも当たり前。






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タイプの男性の条件を3つあげて、
それに叶った男性2人がいるとして、
選ぶために更に3つの条件をあげ、
それもその2人が叶えているとしたら…。




雪絵 |MAILHOMEBLOG

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