12月にカメラマンとアドレスを交換して、別れるまで、
そして4月に再会してからはずっと、
毎日来ていたメールが、途切れた。


休みの日でも、必ずくれていた。
多少、自分からしないことが気になっていたから、
途切れて2日目に、あたしからメールした。
3日目に、迎えに行った。


2日目の返事はいつもどおり、だったし、
3日目に会ったときも、優しかった。


ただ、ちょっと元気がなかった。
理由はなんとなく察しているし…
元気とか余裕がなければ、誰だって他人には構えない。



だから、それ以上は追いかけなかった。
寺島のときは、一人で考え込んでネガティブに受け取って、
こちらからいろいろ働きかけたものだけど、
寺島はそれをうるさがったし、

この人の場合は、
何がキツくてどうして落ち込んだか、
聞かなくても喋る人だから、
喋る余裕もないだけなのだ、と思った。



待った。
気を壊すような心当たりはないから、待った。


寺島に、

「前の奥さんのこと、忘れてないんじゃない？」

とかって脅されたから、
例の如く、自然消滅か?!なんてことも思った。


でもまだ数日、
1ヶ月になったら考えよう、って思った。



今まで、これが出来なかった。
一事が万事、
あたしは焦るのだ。




パチンコの話で申し訳ないが、
アツいリーチを外せばすぐ捨てたし、
1回転ごとに、これはダメなんじゃないかと気を揉んだ。


仕事が出来ないとすぐ落ち込んだし、
成績が伸びないと、向いてないんじゃないかと考え出す。
傍から見れば、
まだまだひよっこなんだから当たり前、
むしろ自意識過剰、なんだけどね。




変な話、
待てるようになったのは、パチンコで勝ってから。



というのは、
その日あたしを勝たせてくれた台が、
大当たりを出すまで、
ウンともスンとも手応えのない台だったのだ。


「逆に怪しいんじゃないか？」


そう父に言われて、
珍しくあたしは粘ったのだ。
まぁ、アツいリーチを外したりはしてなかったけど、
とにかく、面白くない台だった。


それが、1回当たってからは連チャン続きで、
外れるでしょ、という場面でも当ててくれ、
結局その日のNo.1で終わり、
次の日も好調なヤツだったのだ。




待つのも悪くない。
そう思えたことが、きっかけだった。




カメラマンは、昨日、
久しぶりのメールをくれた。


「ここ数日、テンションが上がらなくて…」


そうそう、そうなの。
そうなるとあなたは動けなくなる人なの。


落ち着いていられた自分が、嬉しかった。
カメラマンの影響もあると思うけれど。





保険会社を辞めた。
理由は、焦る自分に気がついたり、
接客が嫌になったり、といろいろあるんだけれども。


事務のパートも無事決まり。
とりあえず、仕事には困ってません。
ありがたいことです。



次の会社にも、1回遊びに行ったら、
未経験なのに、
「是非雇いたいんだよね〜」
って言ってもらって喜んでたけど、
連絡がなくて、

所長さんはあんな言ったけど、
やっぱ未経験はダメなのかも、免許もないし、
今のうちから、
「新しい仕事探していいですか？」
って確認しといたほうがいいかな…

なんて思ってたんだけど、
今日電話が来て、
「来週からおいで」って。


これは本当に嬉しかった。
未経験での事務なんてそうそうあるもんじゃないし、
派遣で接したお客様、という縁だったし。


後1週間、ちょっとだけでも勉強しようと思ってます。
頑張ろう。

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