コミュニケーション。
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前日の日記を更新した後、 さすがに寝ないと…と横になった。
飲酒後の体で、多分眠りが浅かったのだ、と思う。 ピンポーン、と鳴ったチャイムで起きて、 条件反射で玄関を開けていた。
メールがしてくるほど、ということは、 近いうちに押しかけてくる!と予想していた。 しかしあくまで予想、イコール今までのパターンだから、 今回はわからない、とあたしは思っていた。 女がいることだし、あたしもキレたことだし、と。
だから、ゆっくり心の準備をしよう。 そう思っていたのに、実際は、 条件反射で開けてしまった自分がいて、 情けなくて、 寺島の姿を見るなり、 うなだれてしまった。
ここからどうすればいいんだろう? 追い返すべきなの?あげて話し合うべきなの? 寝起きの頭は回らなくて、いい顔も出来なくて、 しかめっつらで沈黙するあたしに、 寺島は、
「食べる?」
とロッテリアの袋を差し出した。
それでもあたしが何も言わないので、 寺島は焦った様子で、
「いや、MD貸しっぱなしだったよなと思ってさ」
と付け足した。
何なのよ、それ。 ミエミエの言い訳。
縁を切った日、泥酔していたあたしは、 寺島ともう一度話し合わなければならないかもしれない、と思っていた。
気持ちわかってない!じゃなくて、 伝え切れていない、のかもしれない。 何も言ってくれなかった、じゃなくて、 言えなかった、のかもしれない。 そのへんの記憶がお酒でない、なんて、 曖昧にもほどがあるし、 こうやって寺島からのアクセスがある以上、 遮断し続けるのは、どうなのだろう…という気がしてた。
それをぼんやり思い出して、 寺島を上がり口に上げたあと、玄関を閉めた。
これで上がっていいと伝えたつもりだったのだけど、 普段はずうずうしい寺島もさすがに弱気で、
「上がっていいの?上がっていいの?」
と何度も繰り返していたので、
「そんなに弱気になるんだったら来なきゃいいでしょっっ!!」
と怒った。
寺島が、ポテトを箱ごとくれた。
てりやきバーガーを、
「食べる?」
と聞くので、要らないと言ったら、
「どこが食べたい?」
と重ねて聞くので、
「じゃぁレタス」
と言ったら、本当にレタスを千切ってよこした。
しばらくは、お互い顔が見れなかった。 あたしのイチバン嫌いな、 本題を避けた他愛のない世間話、が続いた。
少しずつ、話が核心に近づいて、 縁を切った日、の話になった。 あたしがなくした部分の記憶は、とても素面で聞いていられる内容じゃなく、 やっぱり寺島は、何も言えなかったんだ、とわかった。
寺島は、今日会った以上は、 これからもまた会いに来るつもりのようだった。 あたしは、拒絶はしなかった。
記録タイで、今回の喧嘩は終わった、ということになる。 ため息をつかずにはいられない。
必要以上に頑張ることも、 自己犠牲に酔えちゃうくらいの我慢も、もうやめる。
寺島がそれでもいいと言ったから、気が緩んだってのもある。
次の日記は、寺島との会話を書こうと思います。
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