どのような思い心掛けでおぬしはサックスを吹くのだ、と問われ、 上手く申し上げられませぬが私はサックスを吹くときいつも大きな円を心の中に描きます、 それは拍や速度リズムを超越し常に私の中に流れている立体的且つ有機的な円形です、
という問答をしたのは 忘れもしない21歳の頃 人生で最高の演奏をしたその後のことであった。
やはり私は知らぬまに自分の吐いた言葉で人生を形成してきている。 立体的且つ有機的な円形。 仕事をしていても、飯を食っていても、風呂に入っていても、セックスをしていても、寝入る瞬間であっても、 私は目を閉じさえすれば非常に具体的にその円を思い浮かべることができる。 その円こそが私の在りかたのかたちなのであろう。 そしてその禅問答のような会話に猛烈に理解を示したその人が 実に4年の歳月を経て私が愛する(若しくは、愛した)人になろうとは 人生とは、決まっていないようで所々ピンで留められたように変え様の無い時点というものがあり 今こうして吐き出していることばが自分の人生をピン留めしていくと思うと あなおそろし、と思うと同時に、ことばという道具を持っていて面白かったねよかったね、とも思います。
と、円形について書き綴っているうちに どうしようもなくまるいピザが食べたくなったので 注文してしまった。 カニマヨうまかった。
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