『庭の話』

目次前へ次へ


お得なガーデン・・・・・・10円ギボウシ

ギボウシは 私自身好きな植物で、沢山育てています。
でも、そろそろ手に負えない大きさに成長する物も現れて・・・僅かに残った
傷みがちな芝を剥して レンガを敷いて、夏場涼しげな落葉樹を植えて根元にびっしり
ギボウシを植えたいと言うのが私の希望なんですけど、あくまで私は我が家の庭手入れ
担当係(芝だけは別)どんな庭にするかは庭の「持ち主」が決める事なんで〜。


元々ギボウシは日本や中国に昔からあったユリ科の植物で、それがヨーロッパや
アメリカで品種改良を重ねられ、ガーデンブームに乗っかって逆輸入のようにして様々な
種類が日本に入って来ています。私の生まれた家にも大きなスジギボウシ
(ウンジュラータ)が日陰にどかんとありました。家の人はギボと呼んでましたね。
タマノカンザシと言うギボウシがあります。中国原産のこのギボウシは漢字で書くと
玉簪 その昔中国の女性がこの花を髪に挿して香りを楽しんだと言うところから来て
いる様です。確かにユリの匂いを更に品良くした様な何とも言えない良い香りがします。

近所に2年前までSと言うホームセンターがあって、そこが実にマニアックな植物の
仕入れをするんです。サフィニアに混じってイカリソウとか大文字草とかの種類が
やけに充実していたり。そして、実に売り方がいい加減。どんどん品物が入って来る
からでしょうか。値下がり幅がこれまた凄まじい。私は大好きでした。
ある時、「園芸市」と銘打って無造作にビニール鉢を重ねてあるので行って見ると
この間まで何とか茂っていたギボウシが見事に枯れています。ですが季節は秋
どうやら自然に枯れた様です。値段を見ると・・・10円
おい、これまだ生きてるぞと思いましたがこれはお買い得。けれど全部買い込むのも
人の道にもとるかと思い、2株買って様子見です。他の人は傷みかかったサフィニア
の方に行ってます。そっちこそ これからはそれほど楽しめないと思うんだけど。

数日後、再び「市」を訪ねてみると、あらかた無くなった植物の中にギボウシだけが
残っています。何で?みんなギボウシ嫌いなの?
このまま捨てられてしまうのは余りに気の毒なので 4株ほど購入しました。
〆て60円。得とか言うより、勿体無いですねえ。
さすがに何株か人に上げました。「騙されたと思って日陰に植えて見〜」って。
翌年はそこでかなり大株になったヘメロカリス・ステラデオロを100円で購入。
苗からだと3〜5年はかかる大きさ、ああ〜勿体無い。
大好きだったホームセンターSですが、やはり全てがこの有様であったためか
ついに潰れてしまいました。花屋巡りの楽しみが一つ減り、悲しいです。

10円ギボウシの正体はこのタマノカンザシ種でありました。
他のギボウシより芽出しが遅い代わりに秋も比較的遅くまで楽しめます。
花だって綺麗なんですよ(写真)。香りも良いし、値千金です。


10円ギボウシことタマノカンザシ。葉は艶のある緑色です。
花は意外と大輪、ギボウシの仲間では際立って美しいです。









管理人 焙煎 |午後からガーデン